キムさんは「キッチンにカミールを連れて行くと、あの子は私たちの顔は見ないのです。興味があるのはどこに食べ物があるかということだけ」と語っており、ラリーさんは「カミールの手の届く範囲に食べ物があれば、私が背を向けた一瞬の間にポケットに入れるか、部屋に持っていってしまいます」と続け、こんなエピソードを明かした。
「ある時、キッチンの鍵をかけるのを忘れた時がありました。ふと見ると外のゴミ箱が倒れていて、私はアライグマの仕業かと思ったのですが、後でカミールがゴミをあさっていたことがわかりました。またキッチンにあったピザの箱が、カミールのベッドの後ろに空になって置かれていたようです。」
「カミールがこっそり何かを食べていた痕跡を見つけた後は、自分たちに非があったと感じます。娘が食べるのを止められず、死に至ることもあるからです。」
カミールさんは成長ホルモン補充療法を10年以上続けているものの、身長は140センチにも満たず、抗不安薬やうつ病の薬、気分安定薬をその時々で飲んでいる。読むことやパズルを解くことはできるが、簡単な算数はできず、お金を扱うのが苦手で時間の感覚がないという。また時に自分を傷つけたり、同じことを無意味に繰り返すこともあり、規則正しい生活をすることで不安な気持ちが落ち着くそうだ。
ラリーさんもキムさんもフルタイムで働いており、カミールさんは現在、月曜から金曜の朝8時から午後2時までの間、ある施設のプログラムに参加している。2人は娘が食べ物のことを考えない時間ができることや、将来少しでも自立できるようになることを願っており、ラリーさんは娘についての率直な気持ちをこのように語った。
「娘を連れての外食や買い出しは難しいですが、娘のためにピザを作ってくれるレストランがあり、私たちは教会の活動にも深くかかわっています。PWSは大変な病気ですが、それで娘が定義されるわけではありません。娘は愛に溢れ、人を気遣い、親切で、思いやりがあり寛大な子ですよ。動物の話をしたら絶対忘れないし、動物の名前もよく覚えています。」
「この病気について人々に知ってもらい、『困難はあるけど、なんとかなるよ』ということを広めたいですね。」
一方のキムさんは「最初こそ病気を受け入れることに戸惑いましたが、今は娘に感謝しており、幸せでいて欲しいと思います。ただそれには私たち家族だけでなく、コミュニティのサポートが必要なのです」と述べ、病気への理解や支援を求めた。
なおこのニュースには「こんな病気があるなんて名前さえ知らなかった」「これはつらい」「PWSでこの体型をキープしているところが素晴らしい。家族がいかにしっかり管理しているかがよく分かる」「食べたいのに摂取カロリーを抑えなくてはいけない。これは苦しい」「家族の愛を感じる!」「素敵な家族で本当に良かった」「幸せが続きますように」といったコメントが寄せられている。
画像は『Born Different 2021年12月29日付Instagram「Camille, from Connecticut, lives with a rare genetic condition」』『Born Different 2021年12月30日付Facebook「Without My Parents’ Help I Would Eat Myself To Death」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)