親たちは「そんな区別を子供にするな」とこの方針を取り下げさせるべく署名運動を起こした。発起人となったアンジェラ・ムーアさんは次のように話す。
「今や校庭では『寄付をする裕福な家庭組』と『寄付できない貧困組』のような感じで区別されているんですよ。実際に寄付した家庭や教員らも、この方針には反対しています。こんな区別はいじめの原因を作り、社会的排除をしているにすぎません。このようなことは即刻廃止して頂きたい。」
また児童の親たちからは、このような声があがっている。
「子供は、新しい用具で遊ぶことを許されずに不快な思いをしている。」
「自分も小学校に勤務する身だが、学校が子供たちにこのような不快な思いをさせるというのが想像できないし、もってのほか。」
「人としてこんなアイデアはバカバカし過ぎる。子供に示す最も悪い例だ。」
「たかが6ポンドというけど、出せない家庭もあるのでは?」
寄付をうたっておきながら、寄付しない家庭の子らにこうした区別をする学校側の対応に、ウェスト・ブロムウィッチ労働党下院議員エイドリアン・ベイリーさんもこのように苦言を呈した。
「確かに政府基金がカットされ財政上の危機を迎えている学校もありますが、学校側は強制的に寄付させるような手段を取るべきではありません。そもそもこうした学校用品は、予算で賄われるべきものなのです。収入が低くて寄付できない親がいると必然的にこのような結果になってしまいます。全ての子供が教育面や設備・用具使用において平等に扱われるよう学校側は配慮をしなければなりません。」
結果として署名運動では1634人の署名が集まり、1月11日にこの方針は廃止されたという。このニュースを知った人からも「寄付ってボランティア精神でするものでしょ。これって強制しているのと同じじゃないの。こんな校長、解雇されるべき」「区別じゃなくてこれは差別」「『たった6ポンド』とかいうけど、校長って各家庭の収入なんて知らないでしょ。『6ポンドも払えないような児童はこの学校にはいないはず』なんて言うべきじゃない」「最低だ。こんな人、校長にはまず向いていない」といった非難の声があがっている。
画像は『Mirror 2018年1月11日付「School ends playground ‘rich and poor zones’ “with immediate effect” after parents’ outrage」(Image: Wednesbury Oak Academy)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)