翌日の夜には再びビーチで会うことになった。デボラさんはのちに「何時間もおしゃべりをして、彼とはユーモアのセンスなどたくさんの共通点があると知ったんです」と明かしている。
その後、デボラさんたちの旅行は終わりに近づき、アメリカに帰国しなければならなかった。帰国の前日、セイトティーさんはデボラさんとロイスさんをダンスに誘ったが、2人は疲れが溜まっていたこともあり彼の誘いを断った。するとその夜、デボラさんの宿泊しているホテルにセイトティーさんが突然やって来たという。セイトティーさんはダンスの誘いを断られたことと、翌日にデボラさんが帰国することに少し動揺している様子だったそうだ。
この時、デボラさんは年齢差のこともあり、セイトティーさんとこれ以上の関係になることはないだろうと思っていた。しかしデボラさんが帰国してからも2人は毎日のように電話やFaceTimeで連絡を取り合い、少しずつ愛を育んでいった。警察官として仕事に励み、長年独身を貫いてきたデボラさんの恋を彼女の子供たちも心から応援していた。
そんな子供たちの後押しもあり、デボラさんは同年12月下旬にセイトティーさんに会うため再びタンザニアへ向かった。そしてデボラさんはセイトティーさんからプロポーズを受け、彼女はこれを快く受け入れた。2018年6月にはマサイ族の伝統に則った結婚式を挙げ、今年7月には法的に結婚式を挙げている。
タンザニアに嫁いだデボラさんは現在、ボマ(家族の敷地)にある泥でできた家で暮らしており、水道やガスもないため自分たちで火を起こして料理をしているという。ちなみにセイトティーさんはデボラさんに会うまで、アイスクリームと魚料理を食べたことがなかったそうだ。デボラさんはそんなセイトティーさんとの愛に満ちた生活に幸せを感じているようだ。
ところが2人の結婚について「夫はアメリカの永住権が欲しいためにアメリカ人の年老いた妻と結婚した」とSNSで非難する人もいるそうだ。しかしセイトティーさん自身はアメリカに住みたいという欲求が全くなく、デボラさんとのタンザニアでの結婚生活に満足しているとして、このように述べている。
「初めて彼女を見た時、天使を目にした気分になりました。私たちは一緒に笑いながら写真を撮ったんですが、彼女は私の身も心も溶かしました。彼女は本当に美しくて、優しくて、それでいて私を支えてくれるんですよ。妻を持つことは私にとって人生の大きな第一歩であり、私たちの結婚生活を誇りに思っています。」
「心無いことを言われると本当に傷つくけど、今は他の年の差カップルを見て励みにしているんです。そうしたら他人の言うことが気にならなくなりました。年齢は単なる数字です。私は妻への愛と配慮を止めることはありません。」
畜産農家を営むセイトティーさんは現在、デボラさんと2人で暮らすための新居となるロッジを建設している最中とのことだ。デボラさんは「これまで以上にない幸せ」を感じており、「自分の置かれた環境から一歩踏み出して行動することで最高の自分が生まれる」と確信したそうだ。
画像は『The Daily Star 2022年10月5日付「Woman flew 9k miles to marry tribesman and ‘couldn’t be happier’ despite 30-year age gap」(Image: Deborah Babu / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)