どうやらこのカンガルーは「白変種」と呼ばれる遺伝子の突然変異が原因のようだ。
クイーンズランド博物館の脊椎動物学芸員であるポール・オリバーさん(Paul Oliver)は、このカンガルーが白変種である根拠を次のように説明している。
「写真を見る限り、このカンガルーは黒い目をしているようです。アルビノではないと思います。」
「アルビノのカンガルーはほとんどがピンク色の目をしており、白変種という別のタイプの突然変異では目が黒いのです。」
「特に、このカンガルーは大人になるまで生存していたのですからね。」
「通常のアルビノは短命です。明らかに目立ってしまうし、メラニン色素に守られていない目はきちんと見ることができないからです。」
「このカンガルーは地域の象徴的で、特別な存在になるかもしれませんね。」
メラニンの欠乏により肌や目の弱いアルビノに比べ、白変種は遺伝子の変異により色素が部分的に失われて毛色が薄くなるものの体の大部分には影響がないそうだ。
とはいえ自然界において目立つことは、天敵に見つかったり、仲間外れにあうなどの困難を伴う。そんな過酷な環境を乗り越えて成体になったこの白いカンガルーの無事を願うサラさんは「私たちはただ、このカンガルーが狙撃手に狙われたり、車の前に現れたりしないことを祈るだけです」と話しており、このように続けた。
「このカンガルーが周辺に居ついて、もっとたくさんの人に見てもらえるようにと願っています。」
画像は『ABC News 2022年4月7日付「Elusive white kangaroo a sight for sore eyes on outback Queensland station」(Supplied: Sarah Kinnon)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)