生まれてすぐ空気にさらされたことにより身体中の皮膚がみるみる乾いて、全身にマスクメロンのようなひび割れができ始めた。それは無数の切り傷のようにも見えたそうだ。
ジェニーさんは看護師に連れてこられたアンナちゃんの痛々しい姿を見て大きなショックを受けたものの、同時に「アンナの命を守りたい」と思ったという。
アンナちゃんは誕生後、治療のため112キロ離れたウェストチェスター医療センターの新生児集中治療室に移され、血液の流れをよくするための形成手術を受けた。その翌日には再びジェニーさんがいる病院に搬送され、治療を続けることになった。
入院中もアンナちゃんの皮膚は乾いて縮むことから、目と口が裏返り、首や胸の周りにくびれができて圧迫され、呼吸がしづらい状態となるため常に予断は許されなかった。
同年10月中旬に無事退院して、家族はアンナちゃんを自宅に連れて帰ることができた。ジェニーさんは「道化師様魚鱗癬と診断された赤ちゃんが出生から無事に1か月を乗り越えられた場合、あとは希望が持てるのです」と語っている。
それからというものジェニーさんは仕事を辞めて、アンナちゃんのケアに集中した。皮膚が硬化してひび割れないように毎日3時間以上もお風呂に入れ、汗をかくことができないアンナちゃんのため頻繁に体温をチェックしたりと、できる限りのことをしているという。
しかし最も重要なことは、アンナちゃんが「自分自身を深く愛せるように教えること」とジェニーさんは話している。ジェニーさんは今後成長していくアンナちゃんについて、周りの人がどのように感じてどのように接するのか、また社会がアンナちゃんをどのように受け入れるのか、こればかりは自分たちではどうにもできないことだと考えたようだ。
そこでジェニーさんは、道化師様魚鱗癬がどういうものか多くの人に伝えるためにFacebookとInstagramを通じてアンナちゃんの姿を公開することにした。SNSにはアンナちゃんの辛い時も幸せな時も包み隠さず公開している。ジェニーさんはSNSに全てを公開していることについて、次のように明かした。
「私達はアンナを人目につかないようにすることも、人前で彼女を楽しませてあげることもできるのです。今でも奇異の目で見られたり、いろんな質問を受けたりします。しかし私達家族はアンナのことを公開する必要があると感じました。」
「ある意味、私はアンナの今後のための世界を用意していると言えるでしょう。だって、アンナはいつか外へと向かっていかなければならないのです。それにアンナは美しい娘ですもの。」
ジェニーさんが運営するアンナちゃんのFacebookとInstagramには合わせて16万人以上のフォロワーがおり、アンナちゃんを支えている。
画像は『Hope for Anna 2018年6月10日付Facebook、2019年10月9日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)