エイプリルフールのネタとして動画を撮影するため、特定の横断歩道にのみ設置されたものだった。他の自治体が横断歩道に歩行者用の旗を用意していたのを見て思いついたと言い、旗の代わりにレンガが用いられることになった。ただしこのレンガ、発泡スチロールでできているそうだ。
しかし単にジョークとして楽しむのではなく、この動画によって交通安全について真剣に考えてもらえるようにという願いも込められている。同団体で交通安全推進を担当するルーシー・マロニーさん(Lucy Maloney)は、「私たちが本当に必要としているのは、車内にいる人も車外にいる人もより安全にいられるよう、道路や交差点を安全に整備することなんです」と主張する。
ブリティッシュコロンビア州の保険公社「Insurance Corporation of British Columbia」の調査によると、この動画が撮影された横断歩道の1つで、グランビル・アイランドの入り口に位置するアンダーソン・ストリートとアイランド・パーク・ウォークの交差点では、2018年から2022年の間に10件の交通事故が発生しており、このうち5件は負傷者や死亡者がいたという。
また、グランビル・アイランドの入り口付近で5年間働いているクローデット・アブグラールさん(Claudette Abgrall)は、「時々、キッズ・マーケットの前を車がとんでもないスピードで走っていくことがあります。そんなに急いでどこに行くんでしょうね」と、子どもが近くにいる場所でもかなりのスピードで走行する車を見かけると話す。
クローデットさんはこの状況を深刻に捉え、グランビル・アイランドを管理する連邦政府機関「カナダ抵当住宅公社(Canada Mortgage and Housing Corporation)」に、速度標識を設置したり、混雑日には交通整理のスタッフを配置するようにしてほしいと訴えている。また、ビジョン・ゼロ・バンクーバーも市に対して、グランビル・アイランド入り口の交差点の危険性について訴え、車線の削減や歩道を高くするなどの解決策を提案しているそうだ。
この動画を見た人々からは、「これは素晴らしいアイディア」「ドライバー側は恐怖でしかないね」「道路を横断するために、個人的にレンガを持ち歩きたい」「車が停止しなかったら、レンガを投げつけてもいいってことだよね?」とエイプリルフールのジョークだと理解しながら動画を楽しんでいた。しかし一方で、ジョークだと気付かなかった一部の人からは、「こんな横暴はありえない」「最低のアイディア」と怒りのコメントも見受けられた。
なお、同団体はエイプリルフールが終わっても引き続き発泡スチロールのレンガと看板を残そうと計画しているが、これをバンクーバー市が認めるかどうかは明らかになっていない。テックインサイト編集部では同団体に、その計画についての詳細をうかがうべく取材を申し入れている。
Be seen, grab a brick!
1. GRAB
2. LOOK
3. WAVE
4. CROSS pic.twitter.com/EEWJvNrUui— VisionZeroVancouver (@VisionZeroYVR) March 31, 2024
画像は『CBC.ca 「Granville Island crosswalk users urged to pick up a brick」(Submitted by Vision Zero)(Joe Passaretti/CBC Still Photo Collection)』『Mr Khans TikTok「#fyp #mrkhans #dudleyroadbirmingham」』『Thomas Lyons TikTok「#funny」』『Fox News 「Kentucky man goes viral for clearing snowy driveway with flamethrower」』『News24 YouTube「WATCH | When Johannesburg’s robots are out, these robots keep traffic flowing」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)