こう続けた。
「腫瘍があまりにも重いので、スリングに入れて生活するようになったの。ただスリングは、私が移動する方向とは反対に動くのよ。それでバランスが取れなかったり、倒れてしまったり…。」
「それに腫瘍を覆う皮膚はとても薄くて柔らかく、ちょっとぶつかっただけで野球のバットで叩かれたように感じていたわ。そうして皮膚が傷つくと感染症のリスクが高まるから、人混みを避けたり、父にはよく私の後ろを歩いてもらい、腫瘍を保護してもらっていたの。」
「大きな腫瘍で洋服も制限されるし、長時間座っているのがつらくて旅行もできなかった。それに30歳になっても仕事に就けず、両親と同居で、自分の人生を歩むことができないでいた。普通の生活が困難だったの。」
そうしてアレクサンドラさんが助けを求めたのが、米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活躍する頭頸部がんの専門家、ライアン・オズボーン医師(Dr. Ryan Osborne)で、手術のビフォーアフターは『TLC』で公開された。
同医師はアレクサンドラさんの腫瘍を「ケープ(袖なしのマント)」と呼び、検査の結果「これ以上大きくなると危険」と判断して手術を実施した。
手術では、大量出血を避けるために静脈の位置をしっかりと確認し、腫瘍に止血帯を巻いて吊り下げてからメスを入れ、6時間をかけて約9キロの腫瘍を切除した。
アレクサンドラさんは術後すぐ、首が軽くなったのを感じたそうで、12週後にはドイツに帰国。早速ドレスのショッピングに出かけて幸せを実感したようで、今の自分について「喜びに溢れている」と明かし、こう述べた。
「実は腫瘍がない自分を想像していたけど、実際は夢に見ていたよりもずっと素敵だし、普通の首になって本当に幸せよ。それにまるでプリンセスになったように、自分が“可愛い”と思えるの!」
なおアレクサンドラさんのビフォーアフターの動画には、医師を称賛する声があがる一方で、「なぜ腫瘍が小さいうちに切除しなかったのか。ドイツだったら手術は可能だったのでは?」「両親はなぜ何もしなかったの?」「20年以上も耐えてきたなんて! かわいそうに」「人生を変える手術。成功して本当に良かった」「これからの人生、楽しんで!」といった様々なコメントが寄せられている。
ちなみにオズボーン医師はがん専門医として20年以上のキャリアがあり、少し前には「神経線維腫症I型(NF1)」を患うトリニダード・トバゴの42歳女性の手術も行っていた。そしてこの女性も術後、「美しいと感じる」と笑顔を見せていた。
画像は『TLC Instagram「Alexandra’s tumor has been growing for over a decade」「Doctors take on the challenge of Alexandra’s tumor」「Dr. Osborne takes on Alexandra’s huge cape-like growth on」「How do you remove a 20lb tumor?」』『TLC Facebook「Tumors Before and After | Take My Tumor」』『The Sun 「DOUBLE HEADER Man with ‘two heads’ for 15 years has tumour size of a melon removed after it ‘damaged his skull’」(Credit: Jam Press/Rare Shot News)』『Florida Times-Union 「‘Life-changing’ surgery: Doctors remove 104-pound tumor from woman in Florida」(PHOTOS COURTESY OF ASCENSION ST. VINCENT’S RIVERSIDE)』『New York Post 「My face is melting off due to a rare disease」(Jam Press/Rare Shot News)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)