バッグが地球の大気圏に入って崩壊してしまうまでの数か月間は観測ができるとされている。
欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士であるメガンヌ・クリスチャンさん(Meganne Christian)は今月5日、自身のXアカウントで、工具の入ったバッグがジャスミンさんの手から離れていく瞬間を捉えた動画を公開した。その投稿には、日本人宇宙飛行士の古川聡さんが、富士山上空を漂っていたバッグを見つけたのが最新の目撃情報であると書かれている。
また、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者ジョナサン・マクダウェルさん(Jonathan McDowell)は、バッグは415×416キロの軌道で地球の周囲を回っていると、自身のXアカウントで説明している。さらに、このバッグはアメリカ宇宙軍の軌道上にある人口物の分類システムにおいて、正式に「58229 / 1998–067WC」と指定・分類されているという。
今回のニュースには、「私もガレージでよく工具を落とすから、気持ちは分かる」「うちの裏庭にでも落ちてこないかな」「ここから陰謀論が生まれそうだ」「双眼鏡で見られるなんてすごい」「イーロン・マスクが回収するかも」など様々な反応が寄せられている。
実は今回のように、工具が意図せず宇宙空間に放たれてしまったケースは過去にも発生していた。2008年、NASAの宇宙飛行士ハイディマリー・ステファニション=パイパーさん(Heide Stefanyshyn-Piper)が、ISSの太陽電池パネルの詰まったギアを修理しようとした時、工具の入ったバッグが手から離れてしまい、地球の軌道に乗ってしまったケースが確認されている。
また2006年には、同じくNASAの宇宙飛行士であるピアーズ・セラーズさん(Piers Sellers)が、宇宙船を保護する熱シールドの補修のため、スライム状の物質をキッチン用品であるヘラを使って塗り付けていた。その際、ヘラがピアーズさんの手から離れてしまい、宇宙のチリとなっていた。
Last seen by @Astro_Satoshi while floating over Mount Fuji the 'Orbital Police' can confirm that the lost EVA gear is being tracked https://t.co/wz4MITmAfM pic.twitter.com/eksfu9fPFw
— Dr Meganne Christian (@astro_meganne) November 5, 2023
画像は『New York Post 2023年11月13日付「NASA astronauts drop tool bag during spacewalk ― here’s how you can see it」(NASA Johnson/SWNS)(eol.jsc.nasa.gov/SWNS)』『Hindustan Times 2020年11月10日付「Ever wonder what happens when you open a jar of honey in space? Watch to find out」(Reddit)』のスクリーンショット、『European Space Agency, ESA 2012年8月16日公開 YouTube「ESA astronaut André Kuipers’ tour of the International Space Station」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 iruy)