「一定の年齢を超えた場合には、両親が限界を超えてまで扶養義務を継続するのはもはや正当ではない」という結論に至った。
シモーナ裁判官は10月24日の裁判で、「両親の意志に反して、家族の絆は大切というだけの理由で、両親が所有する家に成人した子どもが無条件で住み続ける権利を認める法律はない」と述べ、息子2人に12月18日までに実家を出ていくように判決を下した。
EU統計局「ユーロスタット(Eurostat)」の2022年のデータによると、イタリアでは30歳以上の約200万人が親と同居しているという。また、イタリアの国立統計局「Italian National Institute of Statistics(ISTAT)」は、平均26歳で実家を離れると報告している。親と同居する理由は様々だが、2023年8月のデータでイタリア全体の失業率は7.8%だったが、若年層に絞ると22.3%になるという。若年層が失業者の大半を占めているため、職がないことを理由に30歳で親と同居しているケースも珍しくない。
イタリアではもともと家族の結びつきが強く、結婚するまで親元で暮らすのが一般的である。同国の18~34歳で両親と同居している割合は、1983年には49%だったが、2009年には58.6%、2020年には60.2%、2022年には67.6%と年々上昇し続けている。晩婚化や失業率の上昇など様々な要因により親と同居する人が増え、社会問題になっている。こうした背景から、イタリア語で“マモーニ(mammoni)”という30代以上になっても親元で生活する比較的高所得の独身男性を指す言葉や、両親と同居する独身男性を指して“大きな赤ちゃん”を意味する“バンボッチョーニ(bamboccioni)”という言葉も存在している。
画像は『Euronews 2023年10月27日付「Italian mother wins court case against 40-something sons who refused to fly the nest」』『L´Unione Sarda 2023年10月26日付「40-year-old children supported at home, mother sues and evicts them」(from the site)』『PEOPLE.com 2018年5月22日付「Parents Successfully Sue to Get Their 30-Year-Old Son to Move Out」(CNY Central News)』『蘋果日報 2019年1月3日付「無業兒沈迷網遊 法院認證啃老!判搬出父母家門」(資料圖片)』『The Sun 2018年1月21日付「‘LOCK HIM UP’ Mum shops teen son to cops after £500k family home is trashed when he hosts party while parents were on holiday」(IMAGE: NEWS GROUP NEWSPAPERS LTD)、2022年9月1日付「RAGING MUM Raging mum suffering from ‘empty nest’ syndrome punched her cop son in the face after he moved in with his girlfriend」(Credit: Cavendish)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)