「恥さらし」「なんという恐怖」「これはジョークか?」といった批判的な声が多数あがった。
また、このユニークなデザインの噴水について、1902年からオーストリア国会議事堂前に設置されている「知恵の女神パラス・アテナの噴水」とのギャップを指摘するユーザーもいた。他にも、「Culture Critic」というアカウント名の文化評論家はX(Twitter)に動画を添えて「これが納税者から得た180万ユーロ(約2億9200万円)を使ってできた完成品だ」と嘆いており、投稿は760万回以上の表示回数を記録した。
公共の場における現代美術の位置づけについては様々な議論の余地があるが、今回の噴水の件で批判のやり玉にあがったのは、その制作費用である。2024年の議会選挙の世論調査でトップを走る極右政党FPÖの党首ヘルベルト・キックル氏(Herbert Kickl)は、Facebookで「超がつくほどの物価高騰の時代における贅沢だ」と今回の噴水プロジェクトを非難した。
なおウィーン自治体によると、すべての像には透明な落書き防止加工が施されているというが、噴水のお披露目から1週間も経たないうちに、像のいくつかは何者かによって黒い涙の落書きがされるという事態になっている。
テックインサイト編集部ではGelitinに、水とその保護に対する社会的責任を反映させるというコンセプトとこの噴水が合致している点についてや、世論の批判の声に対する思いなどをうかがうべく取材を申し入れている。
A new fountain has been unveiled in Vienna, celebrating 150 years of the city's spring water supply.
This is what they came up with, at a cost of €1.8 million of taxpayers' money…pic.twitter.com/BXPOM3vNbU
— Culture Critic (@Culture_Crit) October 30, 2023
画像は『Gelatin 2023年10月23日付Instagram「Opening Oct 24,」』『Culture Critic 2023年10月30日付X「A new fountain has been unveiled in Vienna, celebrating 150 years of the city’s spring water supply.」』『The Sun 2020年11月10日付「DISASTERPIECE World’s worst restoration leaves stunning Spanish sculpture looking like a gormless cartoon」(Credit: @antonio.capelartista/Newsflash)』『Mirror 2020年6月23日付「Horror as ‘bodgers’ ruin historic painting of Virgin Mary during ‘restoration’」(Image: Coleccionista)』『The Sun 2020年9月18日付「FREE WILLY ‘Penis-shaped’ statues of leaping fish are torn down in Morocco after furious locals brand them ‘pornographic’」(Credit: Facebook)」』『NPR 2021年9月29日付「For $84,000, An Artist Returned Two Blank Canvasses Titled ‘Take The Money And Run’」(Niels Fabæk/Kunsten Museum of Modern Art)』『LADbible 2020年9月5日付「Bin Bag Art Set To Sell For More Than £50,000」(Credit: Phillips Auction House)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)