プロのビデオグラファーであるラセイテさんは自身のYouTubeチャンネルでこのプロジェクトを発表することにしたのであった。ラセイテさんは「冗談ではなく、子供の頃から夢なんです。私を応援してくれるファンの方々からも、たくさんのコメントをいただいています。励みになります」と話している。
だが本題はここからであった。実物大のホグワーツ城を造るのは簡単なことではなく、それをラセイテさんも理解していた。
「10億ユーロ(約1456億円)の予算で、約20年の建設期間を要するプロジェクトです。まず正確な数値を把握するために、実現可能性調査を行い、城の正確な表面積を知ることが必要です。」
そのようにプロジェクトについて述べたラセイテさんだったが、ホグワーツ城を建設する場所も決めなければならない。ラセイテさんは建設地について「“純粋主義者”がイギリスに城を建てることを望んだとしても、私はフランスで実現するのを見たい」と述べたものの、採石場やセメント工場、発電所の近くに立地しなければならず、資材の輸送が制限される。また城の建材については「切石ではなく、コンクリートで建てたいと考えています。そうでなければ1000年かかりますから」と建設工程には制限があることを吐露した。
ラセイテさんの建設プランは城を忠実に再現するだけではない。城の中にホグワーツの4つの寮をイメージしたホテルやレストラン、博物館、結婚式の受付、クリエーターのための学校などを設置したいという。
しかしたくさんの夢が詰まったこのプランには当然ながらお金がかかるが、ラセイテさんは10億ユーロも持っていない。そこで資金調達のために公的資金を集める協会を設立し、投資家を集めるための会社を作る予定だという。また『ハリー・ポッター』ファンが多く存在することを見込んで、クラウドファンディングも活用するそうだ。「きっとこのプロジェクトを成功させるために、喜んで協力してくれるでしょう」とラセイテさんは期待する。
プロジェクトが成立し、建設に動くことになった場合を考え、ラセイテさんはJ・K・ローリング氏に手紙を書いた。『ハリー・ポッター』の版権と、著者のJ・K・ローリング氏の承諾を得る必要があるのだ。「私は彼女の仕事をとても尊敬しているので、このプロジェクトは彼女の承認なしには実現しません。3年前にも手紙を出したけど、返事はなかった」とラセイテさんは明かしている。
ただラセイテさんは諦めておらず、「私の信念は鉄のように硬い。建設業を専門とする企業からは、すでに連絡が来ています。私の動画を見て興味があると言ってくれたのです。時間はかかるが、諦めない。素晴らしいプロジェクトは、すべて小さなアイデアから生まれるのです」と語った。
ラセイテさんが投稿したYouTube動画を見た人からは、「皆さんのアイデアがとても素晴らしいので、私も協力させていただきます。私は大賛成です」、「私はこのプロジェクトが大好き」、「魔法は信じてこそ存在する…私は信じています! サポートに値する素晴らしいプロジェクトです」といったコメントが届いており、多くの『ハリー・ポッター』ファンが賛同しているようだ。
画像は『France Bleu 2022年10月14日付「Près de Marseille, un fan de Harry Potter lance un projet fou, construire le château de Poudlard」(DR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)