マーク・ウィークス判事(Mark Weekes)は判決で以下のように述べ、2年9か月の懲役を命じた。
「あなたの行いは狡猾で、自分の思い通りに人を操っていました。あなたは嘘の網にかかった人たちにお金を払い続けさせるために、自分が受けている治療について詳しく、時には生々しく説明したのです。あなたは彼らの心の琴線に触れました。そして子供の話をすることで情に訴え、さらにお金を騙し取ろうとしたのです。その間、あなたはギャンブルをしたりイタリアやスペインでショッピング旅行や贅沢を楽しんでいました。その行為は勇気を持ってがんに立ち向かい、闘っている人たちを侮辱するものです。」
その後、カンタベリー裁判所(Canterbury Crown Court)による返済手続きで、捜査官がニコルの口座を調査したところ、犯罪行為によって騙し取った総額は360000ポンド(約5900万円)にもなることが明らかになった。
しかしニコルには資産がないため、詐取したお金を返済するための見通しも立たないという理由から5ポンド(約830円)の返済命令が下されたという。そして現在、そのわずかな金額を支払うために彼女には28日間の猶予が与えられているそうだ。
イギリスでは昨年、末期がんと偽り寄付金240万円を集めた女が1ポンド(約150円)の返済を命じられたこともあり、このニュースに関して世間からは次のような批判の声があがっている。
「たったの5ポンド? イギリスの法律はまったくどうなっているんだ。」
「英国で銀行強盗をしたら、お金を全部使い切ればいいんですね。本当に信じられない。」
「これは冗談? 法律を変えない限りこの手の詐欺はなくならないだろう。」
「こんな人のせいで本当に困っている人が苦しむことになるんだよ。」
「いくらなんでも5ポンドはあり得ない。どんなことをしても彼女は全額返済すべき。」
画像は『Metro 2022年6月26日付「Mum who faked cancer diagnosis to rake in £45,000 ordered to pay just £5 back」(Picture: PA)(Picture: KMG/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)