副町長のナシマ・ベグムさん(Nasima Begum)も以下のように苦言を呈した。
「彼らに与えられたものではないのに、そこから利益を得ようとしている。恥ずべきことです。」
「バンクシーは、誰かがそれで利益を得ることを期待して、壁画をそこに残したのではないと確信しています。」
「本当に残念です。バンクシーのアートは話題を呼び、多くの観光客を惹きつけていました。」
当初、壁ごとくりぬかれた「Crowbar Girl」は米カリフォルニア州のオークションハウス「ジュリアンズ・オークション(Julien’s Auctions)」に渡ったものと噂されていた。ところが今年1月に入って、同オークションの最高責任者ダレン・ジュリアンさん(Darren Julien)が同作品は非公開価格で個人バイヤーへと売却されたことを認めたのだ。
バンクシー作品を複数所有している美術商のジョン・ブランドラーさん(John Brandler)は、同作品が個人バイヤーの手に渡った経緯をこのように推測した。
「この壁画はオークションで150万ポンド~200万ポンド(約2億3400万円~3億1200万円)で売れる可能性があります。」
「ジュリアンズ・オークションの20万ドル~40万ドル(約2300万円~4580万円)という低い価格が売り手を遠ざけたのでしょう。」
「このあまりに低い見積もり価格に、シュワルツ夫妻が期待した価値と一致しなかったのでしょうね。」
「壁画は米国に渡っていませんでした。まだ英国の倉庫にあるのです。」
この報道を受け、ローストフトの人々からは再度このような怒りの声があがっている。
「本当になんて自分のことしか考えないやつらなんだ。」
「バンクシーの作品を壁から取り除いたことは愚かだし、それを売却するなんて失礼。」
「貪欲さ、理解のなさ、そして敬う心のなさ。」
「誰が描いたかによって、描かれた作品を撤去するなんて。正直、冗談じゃないよ。悪い前例になってしまった。」
画像は『Metro 2022年1月16日付「Landlord sells Banksy mural ‘for £2,000,000’ after ripping it off wall」(Picture: SWNS)』『BBC 2021年11月16日付「Banksy: Lowestoft artwork to be auctioned in US」(ANDREW TURNER/BBC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)