ホッキョクグマはのしかかるようにしてトナカイを海の中へ沈めてしまった。
映像は距離があるためハッキリとは確認しにくいが、トナカイの頭や背中部分は沈んで見えなくなってしまい、水面には大きな角の一部だけが残っている。その後、ホッキョクグマは溺死したトナカイを引きずりながら岸に上がり、1頭で大きなトナカイを食べていた。
通常のホッキョクグマはアザラシを狙って狩りを行い、陸地と流氷の上を行き来して生活している。ところが気候変動の影響で氷が解けてしまい陸地で過ごす時間が多くなってきているため、アザラシに代わる獲物を見つける必要が出てきた。
さらに近年、スヴァールバル諸島におけるアザラシの生息数が減少している代わりに、狩猟が禁止されたことからトナカイの数が増えているという。こうした理由からホッキョクグマの次のターゲットとなったのがトナカイだった。
これを裏づけるように、ホッキョクグマがトナカイを襲う光景はたびたび目撃されていた。しかしその一部始終を映像に収めることができたのは今回が初めてのことだった。
この映像を見た人々からは「これは圧巻」「大きなトナカイを引きずって移動するホッキョクグマには少し恐怖を感じる」「トナカイはどこにいても危険になってしまうね」「ホッキョクグマだって生き残るために頑張っているんだよ」など様々なコメントが寄せられた。
なおスヴァールバル諸島では現在、約300頭のホッキョクグマと約2万頭のトナカイが生息している。また陸地での時間が増えたホッキョクグマとの遭遇率が上昇しており、ホッキョクグマの危険性を示す看板が各地に設置されるなどの対処が取られているという。
画像は『The Independent 2021年11月30日付「Polar bear captured on video drowning reindeer as climate crisis intensifies struggle for food」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)