ハイエナにはお見通しだったもよう。遠くから1頭のハイエナが歩き始めると、ヒョウの子どもは恐怖で身を強張らせるようにじっとハイエナを見つめていた。
そしてハイエナがある程度近づいてくると、ヒョウの子どもは危険を感じて一目散に走り出した。すぐにハイエナも全速力で追いかけ、恐怖の追いかけっこが始まった。
ヒョウの子どもは独り立ちできるまで通常、2年ほど母親とともに生活するという。今回のヒョウの子どもは生後約11か月だったので、母親の狩りの間は帰りを待つしかなかったようだ。
いつもは守ってくれるはずの母親がいない状況で、ヒョウの子どもは必死に逃げた。しかし時速約40マイル(約64キロ)で追いかけていたのは、体長5フィート(約1.5メートル)、体重100ポンド(約45キロ)と推定されるハイエナで、捕まれば殺されてしまうことは確実だった。
ムーサさんたちが固唾をのんで見守るなか、ヒョウの子どもは近くの木によじ登る選択をした。これが功を成し、あと一歩のところで捕まってしまうというギリギリの瞬間にハイエナの襲撃から逃れることができたのだ。
木に登ることのできないハイエナは悔しそうにヒョウの子どもをしばらく見上げていたが、諦めて去っていった。
ムーサさんは「本当にハラハラしましたが、ヒョウの子どもが生き残ることができて本当に良かったです」と胸をなでおろした。
なお今回のように大自然の貴重な瞬間を捉えたものは、過去にも話題になった。南極の海でペンギンの首を引きちぎって襲うヒョウアザラシの狩りの瞬間を捉えた映像や、ライオンにくわえられ息絶えた母猿にしがみつく子猿の写真など自然界の厳しさを感じるものばかりだった。
画像は『The South African 2021年11月4日付「Saved by the tree! Leopard cub runs for its life from hyena[video]」(Image: LatestSightings/YouTube)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)