実はこれ、オロシザメ科の“アングラー・ラフシャーク(Angular roughshark)”とのこと。このサメは地中海全域を含むノルウェーから南アフリカまでの大西洋東部、東アフリカのモザンビーク沖を中心に生息している。地中海周辺における研究によると、水深200~1970フィート(約60~600メートル)付近で過ごすことが多いそうだ。
またアングラー・ラフシャークは、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature)のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)において“絶滅危惧種(Critically Endangered)”に指定されている。
エルバ島水族館のユーリ・ティベルトさん(Yuri Tiberto)は、アングラー・ラフシャークの存在について「地元で見かけることはそう珍しいことでもない」と明かす。エルバ島を含むトスカーナ群島周辺は生物多様性に富んでおり、地元漁師から「アングラー・ラフシャークが網にかかった」という報告を時折受けるという。
「水面に顔を出す時に唸り声のような音を発するので、『ピッグ・フィッシュ』とも呼ばれています。水族館の水槽で飼育しようと試みた時期もありましたが、飼育には適さない種であると分かったので断念しました。」
今回のアングラー・ラフシャークの発見は先月19日のことだったが、今月3日にエルバ島の観光情報を掲載するFacebookアカウント「Isola d’Elba App」に投稿されると、瞬く間に話題を呼んだ。
奇妙な姿を見た人々からは驚きの声とともに「私の前妻(前夫)にそっくりだ」「子どもたちへ。ベーコンを海に捨てた結果がこれだよ」「ビールをたくさん飲んだ日の翌朝みたい」など冗談を交えたコメントも見受けられた。
なお発見されたアングラー・ラフシャークは研究のため港にある事務所に運ばれ、理由は明かされていないが最終的に処分されてしまったという。
画像は『LADbible 2021年9月9日付「Sailors Find Fish With The Body Of A Shark And Face Of A Pig」(Credit: Newsflash)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)