奇跡的に車両下の隙間に入り込み無事で、女児を救助したジャイロ・トレスさん(Jairo Torres)は事故直後の様子をこのように述べた。
「最悪のケースを考えていました。でも車両の下で女の子が動いているのが見えたのです。『パピィ、パピィ』と泣いているのが聞こえました。あ、この子は生きてる!と思いました。」
「女の子が『パピィはどうしたの』と聞くので、『パピィのことは見ないで、私のほうにおいで。ワンちゃんみたいに這ってくるんだよ』と伝えました。」
救助されたフィルニちゃんはその後、ブロンクスにあるヤコブ医療センターに搬送されたが、かすり傷だけで済んでいる。
妻のニルカさんは事故が起こった朝のことについて、涙ながらにこう語った。
「夫はあの朝も特に変わった様子はなく、娘を連れていつもと同じように出かけていきました。しばらくすると夫から電話があったのですが、何を言っているのかよく聞き取れませんでした。その後何度も電話をかけなおしたのですが、繋がりませんでした。やっと電話がつながると、フィルニが『ダッドが泣いているよ』というのです。悪い予感がして駅までの5ブロックの道を走りましたが、間に合いませんでした。」
「本当にいい夫でいい父親であり、よく働く素晴らしい人だったのに、何が起こったのか分かりません。ただ娘には天使がついていたのでしょう。助かって本当に良かったです。」
ニルカさんによると、フェルナンドさんはメンタルヘルスの問題を抱えてこれまで6度ほど入院しており、治療のための薬を飲んでいたということだ。
またフィルニちゃんは母親に「ホームに落ちてしまった」と話しているとのことで、父親が自殺したことを理解していないようだという。フィルニちゃんの近所の住人は「娘を連れて自殺だなんて、そんなことはしちゃだめだよ。彼が駅に行ったのは最初から死ぬつもりだったのかもしれないね。学校はすぐ近くで電車に乗る必要なんてないんだから」と話している。
画像は『New York Post 2019年9月23日付「Dramatic video shows bystanders rescuing girl after dad’s subway suicide」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)