犬の糞尿と山積みになったゴミが溢れ、床が見えない状態だった。マントルピース(暖炉の前飾り)にはドッグショーで獲得したトロフィーがいくつか飾られてあったが、無残にも埃にまみれ、そのそばには明らかに飼育放棄された複数の犬が横たわっていた。悲惨な状態のリビングに驚愕したアディティさんが、さらに台所へのドアを開けようとした時、エレインはアディティさんの骨折して治りかけていた手首を力任せに押しのけた。恐怖を感じたアディティさんはすぐに家を出て警察に通報、しかし警察は民事問題であるとしてSSPCA(スコットランド動物虐待防止協会)へ連絡し、SSPCAスタッフが駆けつけた。壮絶な現場を目の当たりにしたアディティさんは、ショックを隠し切れずこのように話している。
「床やソファーなど至る所が犬の排泄物にまみれていて、強烈な悪臭が漂っていました。犬の様子も糞尿まみれの酷い状態で、私自身も犬を2匹飼っていますが、どうやったらこんなふうにペットを扱うことができて、しかも生活しているのか理解できませんでした。『犬が大好き』と言っていただけにショックです。エレインは、私が訪問した時にもパニックになって『追い出さないで』と懇願していましたが、あの有様を見て警察に通報しないわけにはいきませんでした。まさか貸し出した物件がこんな状態になっているとは想像もしていませんでした。」
犬を救出したSSPCAスタッフも、現場の状況には驚きを露わにしている。
「人やペットが生活するには全く持って不適切な環境でした。残念ながら2匹のジャーマン・シェパードの“ロージー”と“アーティー”は衰弱が酷く、特にロージーは自力で頭を持ち上げられないほど弱っていました。メスのジャック・ラッセル・テリアは後ろ足を負傷していて、骨が見えていた状態でした。獣医に診せたところこの3匹は痛みも酷く、衰弱状態も激しかったので、やむなく安楽死せざるを得ませんでした。」
今回の件で、当然エレインは家を追い出された。しかし排泄まみれの家の損害はおよそ25,000ポンド(約370万円)にも上り、修繕費用は大家が出さねばならないそうだ。10月8日に刑務所に収監されたエレインについて、SSPCAスタッフは「14週間の実刑判決が出たことに満足しています。動物を虐待することは犯罪であり、何らかの処罰が与えられて然るべきなのです」と述べている。
画像は『The Scottish Sun 2018年10月8日付「HOUND HORROR Woman who exposed one of worst animal abuse cases sheriff had ever seen reveals her horror after uncovering sickening conditions in Irvine」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)