イギリスのチェシャー刑事法院で行われた裁判で今月26日、 自宅で誕生した娘を約3年間、寝室のベッド下の引き出しに隠していたとして、母親に懲役7年半の有罪判決が言い渡された。児童虐待事件の詳細を、米ニュースメディア『People.com』などが報じた。
2023年2月、3歳の誕生日を数週間後に控えた女児が、2階にある寝室のベッドの引き出しの中にいるのを、母親のパートナーの男性が発見した。
男性が2階のトイレを使用しようとした際、寝室から赤ちゃんのような声が聞こえた。女児は髪がひどく絡まり、脱水症状を起こし、未治療の口蓋裂があった。また腹部や足が腫れ、オムツかぶれがひどく、筋肉が発達せず手足がだらんと垂れていた。
男性は普段、2階への立ち入りを禁じられていて、ベッドの引き出しの中の女児を見て、慌てて警察に通報した。
一方、現場に駆けつけたソーシャルワーカーは、次のように述べた。
「寝室で目にした光景に驚き、引き出しの中に座って私を見上げている女児を見て衝撃を受けました。女児は私を見つめ、体を前後に揺らしていました。」
「母親に『ここが彼女の居場所なの?』と聞くと、感情を出さず、当然のことのように『そうよ。引き出しの中よ』と言われてショックを受けました。さらに『あなたのほかに、この子を見たことがある人はいるの?』と質問すると、『ノー』と返答があり、『女児がこれまでに見た顔は、母親以外で私だけなのだろう』と思い、恐ろしくなりました。」
「2006年からソーシャルワーカーを務めていますが、これほど極端でひどい児童虐待のケースは経験したことがありません。また罪悪感がなく、感情を全く出さない母親の姿は理解し難いものでした。」
なお女児は、2020年3月に自宅の浴槽の中で誕生したが、