実はそうでもなかった。ポリーさんは「“ペンギン”はこのことを気にしていないですし、スクイッドは一緒に育った楽しい遊び相手なので、好きなようにさせています」と“ペンギン”の様子を明かした。
またポリーさんによると、ペンギンのコミュニティでは社会的な絆や相互寛容が重要だそうで、このように語っている。
「ペンギンは長命(30年以上)で、一般的に生涯つがいの絆を保つことが分かっています。陸上で巣を作ってヒナを育てるため、その間は捕食動物に襲われる危険がとても高いのです。卵を温める成鳥、卵、そしてヒナの安全性は、集団で集まることによって大幅に向上します。ペンギンが長寿であることと、繁殖のために非常に密集したコロニーを作る相互依存の関係性という条件の組み合わせにより、社会的な絆を重視するライフスタイルができているようです。野生のペンギンは常に研究されていますが、彼らの社会構造の多くは完全には理解されていません。」
「一方で飼育下においては、何年も仲の良い状態を保つ様子や、つがいになった相手と一日の大半を互いに近くで過ごしている様子、またつがい以外のペンギンとも社交的に交流する様子が見られます。ペンギン同士がお互いのスキルを学ぶために、社交性はつがいになる前の幼少期のペンギンにとって特に重要です。ペンギンはお互いに絆を深めるために体を触り合ったり、毛づくろいをしたりしますが、素早く相手を罰することもあり、気に入らないペンギンや巣に近づきすぎたペンギンを追い払うこともあります。時には、ペンギン同士が掴み合ったり、叩いたり、噛みついたりするなど、非常に残忍な行為をすることもあります。」
スクイッドは親元で育ったが視力にハンディキャップがあり、“ペンギン”は幼い頃に飼育員の手で育てられたため、他のペンギンとの関わり方を学んでいる。そんな2羽はエサの時間以外にも、一緒に過ごしていることが多いという。また、スクイッドはメス、“ペンギン”はオスということもあり、まだ生涯のつがいにはなっていないようだが、今後はつがいとなる可能性もあるようだ。
なお、スクイッドの白内障は手術により改善も可能だが、現時点で手術はしない方向に決まったという。ペンギンの白内障手術はまだ確立されたばかりで、手術に伴うリスクやスクイッドの健康と生活の質(QOL)を検討しつつ、手術が必要かどうかを当初から獣医と話し合ってきたそうだ。
ポリーさんは、「スクイッドの視力は左右で異なりますが、白内障は大きく進行していません。スクイッドは投薬を受けておらず、自身の限られた視力に非常に良く適応しています。他のペンギンから否定的な扱いを受けることはなく、コロニーで充実した生活を続けています。スクイッドは4月に眼科の検査を受ける予定ですので、その時にスクイッドの現在の眼の状態についてさらなる情報が得られるよう願っています」と述べている。
画像は『Birdworld Surrey Facebook「Happy 3rd Hatchday to Penguin!」』『Birdworld, Farnham Instagram「Who has seen our famous penguins in the news?」』『Good News Network 「Penguin Becomes ‘Guide Bird’ Companion For Zoo Pal Suffering with Cataracts: Waddle I do Without You?」(Photo released by Birdworld via SWNS)』『Department of Conservation Facebook「You might’ve caught up on the news of a rare visitor coming ashore in Christchurch」』『ARY News 「WATCH! ‘Lonely’ penguin hops on board tourist boat in Antarctica」』『New York Post 「Fleeing penguin escapes killer whales in nail-biting video」(Expert Vagabond/Kennedy News)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)