モナさんに「私は刑務所に行ったことがある」と話をしたそうで、モナさんは「まさか、何かの間違いでしょう」と言い返したという。実際のところ、オーロラさんが実母と話をしたのは14歳の時に一度だけだったそうだが、モナさんはすぐに「この子とは週に1回の食事だけでは足らない。私にはもっと時間が必要」と悟ったという。
こうしてモナさんは、オーロラさんの眼鏡を作ったり、初めての美容院に連れて行ったりと積極的に関わるようになり、歯科医や矯正歯科医、地域のリーダーたちもオーロラさんのデンタルケアの手助けをしたり、サマーキャンプの手配をするなどしてサポートに尽力した。
さらにモナさんは昨年3月、夫ランディさん(Randy)と一緒にオーロラさんをハーバード大学のキャンパスツアーに連れて行ったそうで、モナさんは「ツアーの後、彼女のハーバード大学進学への気持ちが一層強まるのが分かった」と述べている。
一方でオーロラさんは「モナさんが私に教えてくれたことはかけがえのないもの」と感謝しながらも、「私が育った環境とはかなり違ったものだった。でもそれって決して悪いことではないと思うし、私はモナさんと出会う前の経験も貴重なものだと思っている」と語る。
高校在学中には、科学や数学を将来の自身のキャリアとして考えている生徒たちを支援する団体に所属していたそうで、オーロラさんは「その中に身を置くことで、学業でベストを尽くすことを学んだ」と努力を惜しまずにきたことも明かしている。
昨秋には、コンロー市のライオンズクラブが主催するスピーチコンテストでオピオイド(医療用麻薬)のリスクについて語り、2千ドル(約28万円)の奨学金を獲得するなど頭角を現しており、ハーバード大学の願書に至っては、ボストン大学のジェームズ・ウォレス教授(James Wallace)の添削を受けて仕上げたそうだ。
こうしてマチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学の合格が決まったのは昨年12月のことで、オーロラさんは「ウォレス氏に助けられ、私のストーリーを可能な限り素晴らしく伝えることができたの!」と喜びを露わにする。
そして今月25日には、地元のコンロー高校を学年3位の成績で卒業した。オーロラさんは大学の授業料と生活費を含むフルスカラシップ(全額支給奨学金)の獲得も果たしており、秋からは法律を専攻する予定という。また心理学や哲学にも興味を持っており、夢にまでみたハーバード大学での新生活を楽しみにしているそうだ。
画像は『The Courier 2023年5月25日付「Conroe grad, born in jail and now headed to Harvard, credits mentorship and laser focus on her dream」(Photo courtesy Mona Hamby)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)