匿名のドナーから肝臓の一部を譲り受け、同州のクリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)にて腹腔鏡による生体肝移植手術を受けた。
同クリニックによると、肝臓移植を受ける人のうち生体肝移植を受ける人は全体の約5%だそうで、ドナーから提供された肝臓の一部が患者の体内で成長することで肝機能を正常に回復させることができるという。また、ドナーの肝臓は数か月で通常の大きさと容量に再生するとのことだ。
手術後、エマちゃんの命を救ってくれたドナーがどんな人物なのか気になっていたというトリシアさんは、「私と夫はエマに肝臓を提供してくれた人は誰なんだろう…と話していました。男性なのか女性なのか、家族に移植を受けた人がいる人なのか。私たちは他の人の命を救うために自分の身体にメスを入れることができる心優しい人たちを尊敬しているのです」と語った。
そして手術から約3か月が経った今年2月7日、エマちゃんはついに自分を助けてくれたドナーのロリ・サイツさん(Lori Seitz)と対面を果たした。
ロリさんが臓器提供を行ったのはこれが2度目だそうで、彼女が初めてドナーになったのは2020年、当時腎臓がんを患っていた兄弟に腎臓を提供した時だった。
「当時は臓器提供によって何が起こるのか、何を期待すればいいのか全く分かりませんでしたが、このままだと兄弟が命を落としてしまうことは明らかでした。だから彼を助けるためにできる限りのことは何でもするつもりだったんです。」
そう振り返ったロリさんは腎臓摘出手術を終え、回復に向けて入院している間、再び臓器提供をしたいと思うようになったと明かした。
「私が臓器を提供したことによって彼がどれほど元気になったことか…彼の姿を見て自分は本当に素晴らしいことをしたのだと実感したのです。だから肝臓も提供したいと思い、再びドナーになれると分かった時はとても嬉しく思いました。だって私が他の人の命を救うことができるのですから。」
最初の出会いから1週間後、エマちゃんとロリさんは再会し家族と一緒にロリさんの誕生日を祝ったという。
奇しくもロリさんの誕生日である2月14日はバレンタインデーでもあり、さらにアメリカでは臓器提供に関する認識と教育を広めることを目的として制定された「ナショナル・ドナー・デー(National Donor Day)」にあたるそうだ。
画像は『Good Morning America 2023年3月8日付「Infant meets woman who saved her life by donating a piece of her liver」(Courtesy The Murphy Family)(Cleveland Clinic)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)