このヒキガエルから分泌される物質は“ブフォテニン(bufotenin)”と呼ばれる幻覚作用を起こすもので、「オークランド動物園(Oakland Zoo)」では一部の人が幻覚作用を得るためにこの物質を採取していると明かした。カリフォルニア州においてブフォテニンの所持は禁止されているが、隣接するアリゾナ州では適切なライセンスを持っていれば最大10匹までコロラドリバーヒキガエルを捕獲できると定められているため、実質的にブフォテニンを所持することはできる。しかし分泌物の摂取を目的に捕獲した場合には、刑事責任に問われる可能性もある。
「アリゾナ ソノラ砂漠博物館(Arizona-Sonora Desert Museum)」によると、このヒキガエルは敵から身を守るために毒素を分泌すると言い、犬などの動物がこのヒキガエルに触れると口や目、鼻を介して中毒症状を起こす。最悪の場合には成犬でも死に至ることがあるほど強力な毒素である。
幻覚作用があることを知る人がこのヒキガエルを捕獲している事実があり、アリゾナ州ツーソンを拠点とする爬虫類学会「Tucson Herpetological Society」で会長を務めるロバート・ビラさん(Robert Villa)は「いずれヒキガエルは個体数の減少や絶滅の危機にさらされる可能性がある」と懸念している。
画像は『National Park Service 2022年10月31日付Facebook「Well that’s toad-ally terrifying….」』『Oakland Zoo 「Colorado River Toad」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)