当時の様子をこう振り返った。
「トイレの入り口のドアを開けると、人の姿はなかったの。でも個室のドアの下の隙間から脚が見えたわ。それでドアを開けると、女性が便座の上で仰向けになって悲鳴をあげていたの。」
「私が大丈夫かどうか聞くと、彼女は『ダメだわ。もう産まれそう』と言ってきてね。私はすぐに女性スタッフ2人を呼んでこう伝えたわ。『これから赤ちゃんが生まれるわよ』とね。」
こうしてスタッフの1人が救急車を呼び、もう1人がデアンドレさんを探しにドアの入り口に向かった。するとあまりにも長いトイレ休憩にしびれを切らしたデアンドレさんがちょうどやってきたところで、2人はアランドリアさんが待つトイレに直行した。
デアンドレさんは「パニック状態で大声で叫んでいる彼女を見て、とにかく落ち着かせようとした」と当時を明かすと、こう続けた。
「彼女にはまず、しっかり呼吸をするように伝えて、便座から降ろして床に寝かせたんだ。そして着ていた服を脱いで床に置き、彼女の両脚を自分の膝の上にのせると、3度いきむように伝えた。女性スタッフはその間、彼女の頭の位置にいて両手を握ってくれていたね。」
実はデアンドレさん、電話で救急隊の指示を受けながら対応しており、15分足らず、3度目のいきみの後でナンディ・アライヤ・モレミ・フィリップスちゃん(Nandi Ariyah Moremi Phillips)が誕生、頭から出てきた娘を見て「頭が! 頭が!」と叫びつつ、両手でしっかりと受け止めたそうだ。
「もしあれが高速道路で車を運転している最中に起きたと思うとぞっとするよ」と語るデアンドレさん。出産経験がある女性3人に助けられながら娘を取り上げたことについては「きっと神様が私たちを導いてくれたのだろう」と運命すら感じていることを明かしている。
一方のチュニージャさんは「あの日のことは決して忘れないし、これからもこの経験を語り継いでいくわ」と述べ、「あの子には“リトル・ナゲット(Little Nugget)”とニックネームを付けたのよ! もちろんマクドナルドのリトル・ナゲットよ」と続けた。
ちなみにこのニックネームはナンディちゃんの家族にも大好評だそうで、デアンドレさんは「僕の両親もとっても気に入っていてね。あの子はまさにナゲット(キュートな子)だから、ぴったりの呼び名だよ」と笑顔を見せている。
なお同店のオーナーはお産のサポートをした3人のスタッフを称え、それぞれに250ドルのギフトカードをプレゼントしており、チュニージャさんは「お金は全てナンディちゃんのおむつや洋服などに使うわ! だって生命の誕生に関わることができたんだから! こんな素敵なことはないでしょう」と目を輝かせた。
画像は『11Alive 2022年11月24日付「‘Catch the baby’ | Employees, fiancé help deliver baby in McDonald’s bathroom」(Credit: Provided.)(Credit: Deandre Phillips)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)