2人の姉に続いてこのドレスを着たという。
シャロンさんは当時のことをこう振り返っている。
「姉たちの結婚式に出席したのは5歳と8歳の時で、私はフラワーガールを務めました。自分の結婚式で同じドレスを着たのは、義務感ではなく憧れていた姉たちが袖を通したものだっただからです。ただ単純に楽しいこと、素敵なことだと思ったのです。」
ラーソン3姉妹がこのウエディングドレスを着用してから約20年が経ち、4番目の花嫁となったのはアデルさんの娘スーザンさん(Susan)だった。
1982年にロバート・マッカーシーさん(Robert McCarthy)と結婚したスーザンさんは「私たちはとても仲の良い家族で、結婚する時は母のドレスを着ようと自然に思うようになりました」と明かしている。
そして5番目の花嫁はエレノアさんの娘キャロルさん(Carol)で、1990年にローレンス・ズムーダさん(Lawrence Zmuda)と結婚した彼女は「婚約した時のことを思い出すと、このドレス以外のものを着ようとは考えもしませんでした。大好きな母やおば、いとこが着ていたものだから私も着るという感じでしたね」と語った。
さらに翌1991年、キャロルさんの姉であるジーンさん(Jean)もまたトム・エリスさん(Tom Ellis)との結婚式でこのドレスを着用することになった。
6番目の花嫁となったジーンさんは、「いとこのスーザンと私は同い年で、シカゴ郊外で一緒に育ちました。スーザンの結婚式では介添人としてサポートしたのですが、いつか自分が結婚式を挙げる時もこのドレスを着たいと思いました。それに(妹の)キャロルも着ていたので私もこれに決めたのです」と明かした。
それから22年が経ち、2013年2月に執り行われた結婚式で伝統的なこのドレスは再びスポットライトを浴びることとなった。
7番目の花嫁となったのは、トム・マッキーさん(Tom Mackey)と結婚したシャロンさんの娘ジュリーさん(Julie、42)だった。
歴代の花嫁よりも背が高かったジュリーさんのために、母シャロンさんはドレスの裾にリボンを付け、ベールを手作りしてくれたという。
ジュリーさんは同じドレスを着ることを決めた理由について、このように明かしている。
「このドレスを着ることに何の疑問もありませんでした。家族からのプレッシャーがあったわけでもなく、本当に尊敬している家族の仲間に入りたいと思ったのです。当時は100.75ドルでこのドレスを買ったそうですが、サテンやレースは本当に豪華で今の時代ではあり得ない値段です。1950年代から70年以上受け継がれるとは思ってもみませんでしたが、祖母がドレスを良い状態で保管してくれて本当に感謝しています。そして次の世代のために、裁縫が得意な私の母がドレスを保管してくれていたのです。」
「それに家族の伝統であるこのドレスを着た花嫁はみんな幸せな家庭を築いています。私たちは家族や伝統をとても大切にしているので、花嫁それぞれがこのドレスを着ることに惹かれ、このドレスが私たち一人ひとりを繋いでくれているのです。」
それから9年が経った今年8月、セリーナさんがこのドレスを受け継いだ。
これまで歴代の花嫁とドレスの写真を掲載した本「ブライド・ブック(The Bride Book)」を作成し家族の歴史を記録してきたキャロルさんは、姪であるセリーナさんの挙式当日の様子をこのように明かした。
「教会での挙式は特別なものでした。セリーナの父親マーク(Mark)とバージンロードを歩く姿を見るのは不思議な感じでした。それは特別な瞬間で私たちの目にはたくさんの幸せな涙が浮かんでいて本当に素晴らしかったです。」
その日、8番目の花嫁となったセリーナさんは「このドレスを着ることができてとても幸せで光栄に思っています」と語り、感無量の様子だった。
画像は『ABC7 2022年9月17日付「Family passes down $100 wedding dress for 72 years」(ABC)』『Good Morning America 2022年9月16日付「Family passes down $100 wedding dress for 72 years」(Photo by Robert)(Courtesy Carol Milton Zmuda)(Peter Furla/Furla Studio)(Ashley Mitchell/Ashley Mitchell Images)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)