「ハンマーで氷を砕くのを手伝うよ!」という声やレストランやカフェからは「うちにある氷を持っていってよ」と親切なオファーが届いた。
そして投稿が広く拡散されると、地元のスケート場「The Salt Lake County Ice Center」が氷を提供すると名乗り出てくれたのだ。
同スケート場では、スケートリンクを整えるため整氷車で氷の表面を削っており、普段はその時に出た氷片は排水溝に捨てているという。本来捨てられてしまうこの大量の氷をマギーのために使うことになった。
そして9月27日の早朝、いつもは1周で整氷を終えるところ、その日は2周してマギーのためにたくさんの氷片を用意したという。エリヤさんが氷片を受け取るためにスケート場にやってくると、そこには山のように積まれた氷があり、“マギーの雪”と札まで用意されていた。
大きな車で来ていたエリヤさんだったが、そこにあった3分の1ほどの氷片しか積むことができなかったそうだ。それでも自宅に運ぶと、待っていたマリアンナさんは予想以上の膨大な量の氷片が信じられなかったと言い、「言葉にならないくらいに圧倒されて感動しました」と涙を流したという。
スケート場スタッフの優しさに感動しながら庭にその氷片を広げると、マギーが遊ぶには十分な大きな雪の山が完成した。マギーは大好きな冷たい雪を全身で味わうように寝転がっており、エリヤさんとマリアンナさんと過ごす最後の時間を楽しむことができた。
その日の午後、冷たい雪を満喫したマギーは予定通り安楽死となった。
エリヤさんは「安楽死が愛犬にとって恐怖やストレスとならないよう、穏やかで平和的な方法でお別れをしたかったんです」と今回の計画について明かしている。
最後の週末にはマギーと一緒にキャンプに出掛け、存分に甘やかしたというエリヤさんは「信じられないほどほろ苦い思い出となりました」と振り返っており、安楽死という選択が正しいものだったのかどうか悩んでいたという。
それでも「最終的には私たちの葛藤や迷いが、マギーをがんの苦しみから解放してあげたいという気持ちにさせたのです」と、苦しいながらも自分たちなりの答えにたどり着いたと話している。
画像は『FOX Carolina 2021年9月30日付「WATCH: Dog battling cancer gets her final wish – a snow pile – thanks to ice rink」(Source: KSTU, MARIANNA WILSON, CNN via CNN Wire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)