大きな口でヒナの頭をパクリとくわえた。すぐに口から出したが、ヒナが力なく地面に倒れたところで映像は終わっている。研究者たちはその後、ゾウガメがヒナを捕食するシーンを観察したという。
一連の捕食行為は7分かかったそうで、ジャスティンさんは「非常に恐ろしいものだった。このカメはただうろついているのではなく、とても慎重に動いています。ヒナに向かってまっすぐに近づき、明らかに何かをしようとしています。カメは自分が何をしようとしているのか理解しており、以前にも経験があるのだろうと思います」と述べている。
フリゲート島はエコツーリズムのために管理されており、約3000頭のゾウガメが生息している。「ゾウガメは一般的に厳格な草食動物と考えられている」と論文に記されており、今回撮影されたゾウガメは“アルダブラゾウガメ(Aldabrachelys gigantea)” という種に分類されている。
これまでは完全な草食動物と考えられていたゾウガメだが、動物の死体を食べる姿やカルシウム摂取のために骨やカタツムリの殻を食べる姿が目撃されていた。
研究者たちは今回の狩猟行動について、アジサシのコロニーとゾウガメの個体群というフリゲート島固有の珍しい組み合わせがもたらしたものだと考えている。
ジャスティンさんは「草食動物が動物の死骸をタンパク源として少しずつ食べることは、極めて一般的です。しかし食べるために意図的に殺しているという証拠映像は、今回が初めてのことです」と明かした。
この映像を見た人からは「これが自然の掟だ。カメもお腹が空いていたんだろう」「人間だって動物の赤ちゃんを食べることもあるしね」「自然はアニメやディズニー映画のようにはいかないものさ」といったコメントが寄せられている。
なお研究チームは、今回の行動がどれくらい一般的なのかについて断言はできないとしており、これからさらに研究を進める予定だという。
画像は『The Guardian 2021年8月23日付「‘Horrifying and amazing’: giant tortoise filmed attacking and eating baby bird」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)