世界最大級のビジネス特化型のSNS「LinkedIn(リンクトイン)」で検索をかけた。するとラフルさんとフルネームが一致した3人のプロフィールを発見し、そのうちの1人がロンドンで働いていることが判明した。
「この人だ!」と確信したガジさんだったが、フォローした人しかプロフィール詳細が閲覧できないようになっていたので、ひとまずフォローリクエストを送った。
ここでリクエストが許可されるまで待てなかったガジさんは、別の方法でコンタクトを取れないか思案すると、ラフルさんの勤める会社がピーナッツバター製造会社「Pip & Nut」だと分かった。しかし会社に直接電話をかけてみたが繋がらず、カスタマーサービスの電話番号も見つけることができなかった。
なかなかラフルさんと繋がることができなかったが、ガジさんの「持ち主を見つけ出す!」という情熱が冷めることはなかった。会社を立ち上げる際に登録する企業登記局のウェブサイトで会社情報を調べると、ラフルさんの勤める会社がショーディッチにあることが分かったのだ。そして詳細な住所をもとに、ガジさんは自らの足で本社まで赴くことにした。
会社へ向かう途中のツイートでは「まだカードをキャンセルしていないといいな」「ラフルさんは僕らが対面することになるなんて、少しも知らないよな」「僕の行為を快く受け取ってくれるだろうか」と不安を明かしていた。
ガジさんは「会社の外に到着したよ! みんな、もうすぐだ。正面玄関をノックしたよ」とツイートし、本当に本人がいるのか不安を抱えながら緊張の瞬間を迎えた。
そして次のツイートには「みなさん! 財務マネージャーのラフルさんを見つけました。彼はショックを受けて、目に涙を浮かべているよ。ようやく見つけた!」と書かれており、無事にラフルさんへ直接財布を手渡すことができたのだ。
ガジさんが財布を発見してからラフルさんに届けるまで、わずか48分の出来事だった。ラフルさんはまさか拾った本人が届けに来てくれるとは夢にも思っていなかったようで、何が起こったのか理解するのに時間がかかり、しばらく言葉を失っていた。しかし状況を飲み込み始めると、ガジさんに大きな感謝を伝えたという。
ガジさんがシェアしたストーリーには、「とても良い話だよ」「私もこんな冒険をしてみたい」「本当に尊敬する」「こんな素敵な話が必要だよね」「まるで小説みたいなストーリーだ!」と多くの人がハッピーエンドを迎えたことに感激してした。
ちなみにラフルさんの同僚がこの話を耳にすると、ガジさんに「好きなだけピーナッツバターを持っていきなよ!」とお礼の代わりに自社製品を手渡したという。そしてラフルさんはリンクトインを通じてガジさんにメッセージを送り、近々飲みに行く約束を交わしたそうだ。
画像は『Ghazi Taimoor 2021年7月29日付Twitter「Guys! Just found this wallet on Shoreditch High street.」「I’m outside the Head office now!」「Guys! We found Rahul. Finance Manager.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)