同地域の猫保護団体「レジャイナ・キャット・レスキュー(Regina Cat Rescue)」からInstagramを通してメッセージが届いた。
「デジレーさん、あなたのお友達がここにいると思うのですが…」と書かれたメッセージとともに写真が届き、そこには間違いなくツェッピーの姿が写っていたのだ。「まさか! ツェッピーは火葬したのですよ!?」と驚くデジレーさんに連絡した同団体のスタッフは「埋め込まれていたマイクロチップを確認したので間違いないです」とはっきり伝えた。
デジレーさんはアニマルシェルターでツェッピーの亡骸と対面した際、マイクロチップの確認をスタッフにお願いしたが実際には行われていなかったという。
デジレーさんは当時かなり取り乱していて冷静な状態ではなかったことに加え、友人らからも「これはツェッピーだよ」と言われてその猫がツェッピーだと思い込み、マイクロチップをスキャンしたのかどうかを最終的に確認していなかったのだ。デジレーさん自身も耳にツェッピーと同じ模様が入っているのを確認していたので、疑う余地もなかったそうだ。
本物のツェッピーは昨年11月の寒い朝、同じ市内に住むフィリス・ベイカーさん(Phyllis Baker)の家に訪れていた。
フィリスさんは「いつものように外へゴミ捨てに行くと、ゴミ袋が破けてフェンスの向こうへ食べ物が引きずり出されていたんです。それでドッグフードと水を近くに置いておくと翌朝にはドッグフードが減り、水はキレイに無くなっていたんです」と当時を振り返る。
その後すぐに雪が降り始めると、そこには猫の足跡がくっきりと残っていたという。これから迎える厳しい冬を越せるか心配したフィリスさんは、レジャイナ・キャット・レスキューに連絡して野良猫用のキャットハウスを購入したいと連絡した。
そしてフカフカのベッドやカーテン付きの小さな窓も取り付けられた発泡スチロール製のキャットハウスが届くと、フィリスさんは早速中に食べ物や飲み物を置き、24時間監視カメラを設置して待機した。
すると寒さが厳しくなってきた1月頃、そのキャットハウスに猫が初めて姿を現したという。それがツェッピーだった。その後カメラは動かなくなってしまったそうだが、ツェッピーは毎晩のように訪れた。
「最初は私のことを怖がっていましたが、徐々に姿を見せてくれるようになりました。そのうち私が撫でると、すり寄ってくれるようにもなりましたね。時々は外でケンカをしてきたようで足を引きずり、血を流して帰ってくることもありました。」
時が流れて今年5月、優しくツェッピーを見守っていたフィリスさんから「夏の間は別の場所で生活をするので、この猫の面倒を見ることができない」とレジャイナ・キャット・レスキューが連絡を受け、保護したという。その際にマイクロチップをスキャンしたところ、デジレーさんの情報が出てきたので連絡をしたのだった。
デジレーさんは「あまり聞こえは良くないかもしれませんが、私は一度ツェッピーの死を嘆き、喪に服したのです。ツェッピーは街での生活で少し鍛えられたようで、今までとは雰囲気が違うようでした」とツェッピーに違和感があることを話しており、現在はツェッピーを自分の家ではなく母親の住む家で面倒をみてもらっているそうだ。
「私は他人の猫を火葬してしまったのです。この猫の飼い主は自分の猫に何があったのか知らずに今も過ごしていて、本当の意味での終わりを迎えることはできないのです。火葬してしまった猫とは良い別れができたと思っていますが、申し訳ないとも思っています。しかし新しい家を見つけたとか、どんな話でも想像することはできると思います。」
そのように今でも罪悪感があると話すデジレーさんは、レジャイナ・ヒュメイン・ソサイエティに連絡してマイクロチップを確認するなどもっとチェックをすべきだったと感じており、同じ悲劇が繰り返されないように今回の件を報告したという。
画像は『980 CJME 2021年7月20日付「Back from the dead: Cat comes back 9 months after woman cremates it」(Desiree Hobbins)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)