その信条通りに改名を実行。自身が契約する銀行やその他の機関あてに氏名変更を証明する書類を6通作成するため約6100円(40ポンド)、さらにはもうひと手間かけてパスポートまで抜かりなく新しい氏名に変更、これには約11500円(75ポンド)を費やした。
日本では、氏名の変更は自分の意志だけで勝手にできるものではなく、やむを得ない事情や正当な事由があると家庭裁判所で認めてもらう必要がある。しかも2~3週間かけて審議され、一夜にして裁可がおりるものではない。しかしイギリスでは18歳以上であれば理由を問われることもなく、思い立ったら即氏名の変更ができてしまうので、改名サービスを生業とする企業の宣伝動画では「Change your name TODAY!」(今日名前を変えよう!)と謳っているほどである。酔っ払いが勢いで名前を変更できてしまうという日本人からすると驚きのこのニュースは、制度の違いによるものであったのだ。
ルイスさんの母親は息子のこの愚行を耳にし、笑いが止まらなかったという。しかし彼は、厳格な父親にこの改名をまだ告げることができずにいる。だが、バレるのも時間の問題だろう。というのもルイスさんは彼の新しい名前を元に戻すことを考えてはいないからだ。ルイスさん自身はジョン・シナは疎かプロレスのファンですらないのだが、「この名前で特に気にならないから、このままにするつもり」とのことだ。
こうして一躍話題の人となったルイスさん改めジョン・シナさん。一方で、自身のリングネームが大々的に取り扱われたニュースを知ってか知らずか、このニュースが報じられた数日後、WWEレジェンドの本物のジョン・シナはこうツイートした。
「過去を振り返って、過去を愛し、過去から学べばいい。過去にとらわれすぎて立ち止まるな。」
画像は『The Sun 2021年6月22日付「WRESTLE ZANIER! Drinker changes his name to WWE’s John Cena by deed poll – and isn’t even a wrestling fan」(Credit: Ben Lack)』『Fast & Furious 9 2021年6月27日付Instagram「Bruder gegen Bruder」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Aya Nezu)