舌を出し息を荒くしていたという。
トゥエンさんのバスに同乗していた車掌のナノイ・シーダムさん(Noknoi Sidam)は、当時のことを次のように振り返っている。
「周囲の車はスピードを落としていましたが、もし犬が飛び出してきたら急ブレーキをかけなければならず、重大な事故に繋がる危険性がありました。犬を発見した時のことを考えて、あらかじめ乗客に『もし犬を見つけたらこのバスで保護してもいいか』と尋ねて、了承を得ていました。」
「実際に疲れた様子のクッキーを目の前にして、無視することなんてできませんでしたね。トゥエンさんがバスを止めてくれたので、私が犬に呼びかけてバスに乗るよう促すと、クッキーは素直にバスに乗ってくれましたよ。」
「クッキーは座席で横たわりましたが、周囲に人がいたり触られたりするのを嫌がっていましたね。」
当時の様子を捉えた動画では、バスがハザードランプをつけてゆっくり停車すると、犬がバスに乗り込む姿が映っている。周囲の車もバスに合わせて速度を落としており、多くの人の協力のおかげでクッキーを助けることができた。
その後、クッキーは飼い主とはぐれた地域にある車庫まで連れて行かれ、そこで水や食べ物をもらい、飼い主のパチャラさんが迎えに来るまで休んでいたという。
パチャラさんは「クッキーの体重は0.5キロほど減っており、足にケガをしていました。とても疲れていたようで帰ってからはずっと寝ていましたが、今は無事に回復しました」と喜んでいる。
パチャラさんはトゥエンさんとナノイさんにお礼として5,000バーツ(約17,700円)を渡そうとしたが2人はこれを断り、その代わりに動物保護団体へ寄付した。
また2人は事故を未然に防いだということで、首都圏道路交通局より2,000バーツ(約7,000円)が贈られたそうだ。
画像は『Metro 2021年3月31日付「Bus driver stops on busy highway so lost dog can get on」(Picture: ViralPress)』『TheSmartLocal 2021年3月31日付「Thai Bus Driver Picks Up Stray Dog On The Expressway And Drives Him Back Home」(Image credit: True ID News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)