こう続けた。
「夫は最悪の体調でも『息子のためにどうしても絵本を完成させたい』という意欲を失いませんでした。そしていくつもの出版社にアプローチした結果、昨年9月に『The Endless Bookcase』によって最初の絵本が出版されたのです。手術の度にどんどん弱っていったアリアですが息子を膝に乗せ、自分の思いがたくさん詰まった絵本の読み聞かせをすることができました。そんな2人を見るたびに私は、胸が押しつぶされそうでした。」
「そうして昨年12月初旬、夫のがんが脊椎に転移していることが判明しました。夫は自分の死期を悟っていたのでしょうね。家族で穏やかなクリスマスを過ごした後に容体が悪化し、今年の2月8日に自宅で息を引き取りました。」
なおアリアさんの1冊目の絵本は、3~7歳の子供向けで「病気になった父親の恐竜を助けるために、ライオンが困難に立ち向かっていく」ストーリーだという。エリヤス君はアリアさんの絵本が出版され、多くの人に読まれていることをとても誇りに思っているとのことで、現在はナオミさんが読み聞かせをしているそうだ。
またアリアさんはロックダウン中、家族の大切さをテーマにした2冊目の絵本「エディ・アンド・ザ・ラスト・ドゥドゥ・オン・アース(Eddie and the Last Dodo on Earth)」を書き上げた。こちらももう間もなく出版され、2冊の本の収益は脳腫瘍の研究やがん患者を支える4つの施設に贈られるという。
ナオミさんは「まだ若かった夫が病気になり亡くなったことは、私たち家族にとって本当につらいものでした。エリヤスはまだ2冊目の絵本の存在すら知らないので、ビッグなサプライズになるでしょうね。息子は絵本を通して、病気だけでなく家族に向けた父親の思いを理解することができるのですから、アリアには本当に感謝しています」と語っている。
画像は『Metro 2021年3月3日付「Doctor, 30, writes book to son as heartbreaking last gift before dying of brain tumour」(Picture: PA Real life)』『Manchester Evening News 2021年3月3日付「Doctor, 30, dies from rare illness after complaining of bad headaches… he left his young son two heartbreaking gifts before his death」(Image: PA REAL LIFE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)