まず段ボールに毛布を敷いた特製の入れ物を穴から滑りこませた。
そして移動用ケージに入れていた子グマを1匹抱き上げると、子グマは大きな鳴き声をあげた。子グマを掴んだ右手を穴に入れて毛布の上に置こうとした瞬間、子グマの鳴き声を聞いた母グマが、待ちわびていたかのように勢いよく駆け寄ってきた。
驚いたダンさんが急いで手をひっこめると、すぐに母グマが鼻先を穴から外に出して周囲を探っている。ダンさんはそのまま2匹目と3匹目を穴から母グマに引き渡した。その後、再び懐中電灯で照らして中を確認すると、母グマはしっかりと子グマ達を連れて奥の方へと移動したようだ。
「母グマは私の手のすぐそこまで接近していたよ」と明かし冷や汗をかいたダンさんだったが、「野生動物の子どもは母親のそばにいることが一番ですね」と話しており、無事に親子を再会させることができて笑顔を見せた。
クマとの適切な過ごし方を教育プログラムとして提供する団体「BearWise」のキム・ディロージャさん(Kim Delozier)は「クマが人間の生活エリアに出てくるのはゴミ箱が原因になることがあり、そこに食べ物があると分かると、クマはその周囲にあるバルコニーや床下に居ついてしまうのです。テネシー州には多くのクマが生息しており、快適な住処になりやすい場所は競争率が高くなります」と今回クマが床下に現れた経緯を推測している。
画像は『Tennessee Wildlife Resources Agency 2021年2月18日付Facebook「BETWEEN A BEAR AND HER CUBS!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)