2人はためらうことなく下山を始めた。ジョンさんは「凍っていたり岩だらけの道を、犬を背負いながら進まなければならなかったので、何回か滑って転んでしまいました」と下山に苦労したと明かした。
そして約10キロの道のりを4~5時間かけて下り2人の家に到着すると、犬の体を温めて再びエサを与えた。幸いにもその犬には首輪が付いていたので飼い犬だと分かり、飼い主を探すために2人はアニマルレスキューに連絡した。
するとこの犬は、エリーナ・オシェイ・ゴエテレンさん(Erina O’Shea Goetelen、52)一家の愛犬“ニーシャ(Neesha、8)”と判明した。
エリーナさん達は先月23日、ニーシャともう1匹の飼い犬でジャーマンシェパードの“ハーリー(Harley)”と登山をしに来たという。当時のことを「悪夢のような出来事だった」と明かすエリーナさんは、次のように語っている。
「少しの間、自由に歩いてもらおうと2匹のリードを外したのです。そして再びリードを付けようとした時、突然シカが現れて2匹はシカを追いかけて駆け出してしまいました。夫のセルジュ(Serge)と(子どもたちの)シャナ(Shannagh、20)とケイリン(Caolin、16)が急いで追いかけましたが、早すぎて追い付けませんでした。それで森の中に入って行った2匹を見失ってしまったのです。」
「家に帰ったら2匹がいるかもしれないと思い一度帰宅しましたが、どこにもいませんでした。翌日にハーリーを駐車場近くで発見しましたが、ニーシャは一緒ではありませんでした。その後はドローンを使ったり、ニーシャが匂いを辿れるように道に洋服などを置いてみましたが、2週間が経ってもニーシャは見つからなかったのです。」
「ニーシャは8歳と高齢だったので、もう生きている望みは薄いと絶望していました。しかしニーシャが見つかったと連絡が入り、本当に嬉しかったです。シアラさんたちには感謝してもしきれないです。」
無事にエリーナさんらと再会できたニーシャは、動物病院に運ばれた。3分の1ほど体重が減っていて体に切り傷があったものの、大きなケガは無かったという。
ただし2週間も冬の山にいたニーシャが、どのようにして生き延びたのかは謎に包まれている。エリーナさんは「森の中に風をしのぐ場所を見つけ、川の水を飲んでいたのかもしれません。もしかしたらウサギを追いかけたりしていたかもしれないですね」と推測している。
画像は『Irish Mirror 2021年2月8日付「Video of dog lost for two weeks being rescued from Wicklow Mountains by doctors goes viral」(Image: Tik Tok jeanfrancoiswillem)(Image: jeanfrancoiswillem Tik Tok)』『RTÉ 2021年2月8日付「Dog lost for two weeks rescued from Wicklow Mountains」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)