退役軍人省のサポートを受けながら手配を始めたのだった。またフレズノ警察署にも出向き「ジョーダンの帰国を祝うささやかなパレードをしてもらえないか」と依頼した。誰もが「ホームカミングを特別なものにしたい」と協力的だった。
こうしてヘスースさんの退院から1か月後の5月2日、ノルマさんとステファニーさんはヘスースさん夫妻に「きょうだいが新しいバイクを購入したから見てみよう」と声をかけ、家の外に連れ出した。
するとそこに待ち構えていたのはフレズノ警察署のパトカーの一行であった。元同僚らがパトカーで自宅前を次々と通り過ぎていくのを見て、ヘスースさんが驚いたのは言うまでもない。
しかし列の最後尾のパトカーは粋なサプライズを用意しており、乗っていた警察官がマイクを使ってこう述べたのだ。
「フレズノ警察署を代表し、今日こうしてあなたを称えることができとても光栄です…。私たちはあなたにプレゼントを持ってきたんですよ。」
その直後、パトカーの後部座席から軍服を着たジョーダンさんが突然姿を現したのだ。ジョーダンさんはヘスースさんのもとに歩み寄ると、約10か月ぶりに愛する父をしっかりと抱きしめた。嬉し涙の再会だった。
ヘスースさんは「あの時はとても感情的になってしまってね。神様が私の願いを叶えてくれたんだと思ってるよ。本当に嬉しかったね。今は調子が良い時もあれば、悪い時もある。ただALSを患っていてもALSに屈することはないよ。私は元海兵隊でもあるんだ。だから絶対あきらめない。この病気と最期まで闘うよ」と述べ、こう続けた。
「5月はALS啓発月間なんだ。この病気の認知度が高まり、治療法が見つかることを祈っているよ。」
なおヘスースさんはALS患者専用のアプリを使ってコミュニケーションをとることが可能で、28日間の休暇が認められたジョーダンさんと親子水入らずの時間を過ごしているそうだ。
画像は『Good Morning America 2020年5月12日付「Retired police officer with ALS reunites with military son during surprise parade」(Joseph Facio Sr)(Stephanie Ocegueda)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)