夜中の午前2時頃に容体が優れないため目が覚めてしまった。
そんなルークさんの容体を心配して駆けつけた母親が、見かねて「NHSヘルプライン(National Health Service helpline:24時間医療アドバイスを受けられるイギリスの電話サービス)」に電話をして息子の容体について話した。するとヘルプラインのオペレーターから「24時間以内に救急病院に行くように」と指示されたそうだ。
すぐさま母親によって病院に搬送されたルークさんは、体全体に赤い線があり感染が体中に広がっている兆候が見られた。医師からは敗血症を起こしていると診断され、4日間の抗生物質による治療が行われた。そして無事回復したルークさんに、医師は「本当に運が良かった」と話したという。
もしルークさんがこのまま処置をしなかった場合は、多臓器不全に陥って死に至っていたであろうというのだ。これを機にルークさんが勤務する会社「Chemist-4-U」は、敗血症予防を支援するためのキャンペーンの一環として行われる5月18日の「ウェア・レッド・デイ(赤い服を着る日)」に参加を表明しており、敗血症の認知を高めていく予定とのことだ。
「Chemist-4-U」の創設者であるシャミル・パテル氏(Shamir Patel)は「爪の周りの皮膚を噛んだり引っかいたりするだけで、簡単に細菌などが感染してしまいます。実際に爪を噛む癖のある人が、感染症から敗血症を起こしていますから」と話している。そして爪を噛む癖のある人には、ガムやキャンディを口にするか、苦い味のするマニキュアを塗ることをすすめている。
シャミル氏の話は決して大袈裟なものではない。2015年には英エセックス州在住の女性がガーデニング時のちょっとした擦り傷が原因で敗血症になり、5日後には死亡した例がある。
ちなみに『Mirror』によると、イギリス国内だけでも年間約123,000人が敗血症を発症し、うち約37,000人が亡くなっているという。
画像は『Metro 2018年5月4日付「Dad almost dies after biting his fingernail」(Picture: Mirrorpix)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)