米メイン州でこのほど、車にはねられて道路で息絶えているメスのアメリカヤマアラシに遭遇した男性が、シロウトながら帝王切開により赤ちゃんを取り出すという大変まれな出来事が起きた。
米メイン州リスボン在住のジャレッド・バゼルさんは27日、予期せぬ出来事を経験した。マイノットというところでキノコ狩りをしていた中、道路の路肩に車にはねられたと思われるアメリカヤマアラシの死骸を発見。その母体から帝王切開で小さな赤ちゃんを取り出し、心肺蘇生に成功したというのである。
バゼルさんがおもむろにナイフを取り出して、そのアメリカヤマアラシの腹を裂いたのは、腹部がやけに大きいことを感じたからではなかった。メイン州のメディア『WMTW』に、彼は正直に「中国に伝わる秘薬の話を思い出したんです。ヤマアラシの胃には人に健康をもたらす貴重な元素が詰まっているとね。私はそれが欲しかっただけなんです」と話している。ところが彼はそこに小さな赤ちゃんを発見。とても身捨てるわけには行かず、取り出してヘソの緒を切り、心肺蘇生のマッサージも。赤ちゃんはこれにより呼吸を始め、バゼルさんは自宅に連れ帰ったものの間もなく専門機関に引き取ってもらう予定だ。
アメリカヤマアラシは草食性の齧歯類。背面と側面の一部に鋭いトゲをもち、夜行性で攻撃的。背中のトゲが武器となり、捕食されようにも相手の口の周りに爪楊枝大のトゲが大量に刺さるため、大型の肉食動物ですら彼らを嫌うと言われている。バゼルさんの言う中国の秘薬の原料になるのは「胃石」だそうだ。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)