孫を猫可愛がりする祖父の話はよくあるが、アメリカには2歳の孫に「おじいちゃんは1人でブリトーを食べたいんだ。お前は店の外で待っていなさい」という、何とも無責任な祖父がいた。深夜のサンディエゴの街に、孫はベビーカーごと放置されてしまったのである。
このほど米カリフォルニア州サンディエゴで、深夜にもかかわらず2歳の男の子がひとりぼっちでチュラビスタの街に放置されるという事件が発生した。寒い夜に幼いその子を置き去りにしたのは親ではなく祖父。心配しながら探しまわった母親のもとに息子が戻ったのは、日付が変わってからのことであった。
フランク・モレノという名の53歳の祖父はその日の夜10時過ぎ、「ブリトーを食べたいからチュラビスタのタコスショップに行く」と言い、2歳の孫をベビーカーに乗せて出かけた。しかし目的の店にモレノは1人だけで入店。孫はベビーカーに乗せられたまま歩道に放置された。その約1時間半後、チュラビスタ署に「クインタード通りにベビーカーで眠っている子供がいる」との通報が入り、警察官が現場にてその子を保護。外傷はなく健康状態にも問題はないことが確認された。ただし住所や氏名が分からないため、同署はその子の身体的特徴や着衣などを添え、「迷子」として市民の情報提供を待つことにした。
そして日付が変わった午前2時45分頃、母親を名乗る17歳の女性が署に現れた。「おじいちゃんが連れて出たまま息子だけが行方不明になってしまった」と話すその女性。あるタコスショップで午前1時に1人黙々とブリトーにかぶりついている祖父を発見したが、孫の居場所を尋ねても「知らない」と話すその口調にはドラッグの影響を感じたという。
サンディエゴの深夜の街にベビーカーごと孫を置き去りにし、そのこと自体を忘れて何時間にもわたりタコスショップで過ごしていたモレノ。同署は孫が負傷、事故、誘拐など事件に巻き込まれなかったことは幸運であったものの、場合によっては死につながる可能性もあったことを重く見てモレノを保護責任者遺棄罪で起訴。その身柄はサンディエゴセントラル拘置所に送られ、出廷を待つばかりとなっている。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)