世界一マナーがいい宿泊客などと賞賛されている日本人には、にわかに信じられないような話ではあるが、世の中にはホテルのルームサービスに電話して「ミルクをたっぷり持ってきて? ミルクバスに浸かりたいの」と真剣に注文する女性客もいる。ある有名ホテル&モーテル・チェーンが、そうした実態を暴露した。
アメリカで80年近い歴史を誇り、格安な料金と優れたサービスをモットーとして世界展開を図っている、ホテル&モーテル・チェーンの“Travelodge(トラベロッジ)”。1985年にはイギリスにも進出したが、その本部がここ1年にイギリス国内の513の施設を利用した計1650万人もの客からの要求や質問をまとめ、「本当にあったちょっと笑える30例」を発表した。そのうちの20をご紹介してみたい。
・「あの…どこかでサッカー選手と会えるチャンスありませんか?」(リバプール)
・「ヤバイんだ。今日結婚式だってのに指輪が見当たらない。君のをちょっと貸してもらえないか?」(オックスフォード)
・「バスタブにミルクをいっぱいお願い。クレオパトラの気分になりたいの。」(チェルムスフォード)
・「エッフェル塔に行く市営地下鉄は?」(ロンドン)
・「夢遊病が心配なので、睡眠に付き添ってくれるサービスはありませんか?」(カーディフ)
・「妻にこの星空をプレゼントしたい。部屋をそっくり外に移してもらえないかな。」(コッカーマウス)
・「息子の算数の宿題を手伝ってもらえませんか?」(ノーザンプトン)
・「ベッドを温めてくれる人を寄こして欲しい。」(バーミンガム)
・「めんどりの“グラディス”も一緒に泊まっていいでしょう? 朝食にこの子の生んだ卵を食べないと調子が出ないの。」(グロスター)
・「美容師を1人寄こして欲しい。ペットのアフガン・ハウンドの毛を少し刈ってもらいたいんだ。」(バーミンガム)
・「夫のために売春婦を1人お願い。」(マンチェスター)
・「一番日当たりの良い部屋をお願い。私って強烈な朝日を浴びないとオーラが出ないの。」(ケンダル)
・「男友達がちょっと寂しがっているんだ。男性を1人寄こしてくれないかな。」(ニューキャッスル)
・「トラファルガー・スクエアのどこに四角い部分があるんですか?」(ロンドン)
・「ペットに関する規約があるようですが、2頭のラマを連れて行っても大丈夫ですよね?」(パース)
・「ハロウィンだから、ここで“トリック&トリート”をやってもいいですか?」(シェフィールド)
・「カーテンの閉め方が分からないんですが…。」(ラグビー)
・(TVのリモコンを初めて見たらしく)「これ電話機よね。どうやって使うの?」(トーキー)
・「ホテルに行きたいのにこの雪よ。どうにかして止ませられない?」(ブラッドフォード)
・「パディントン・ベアってどこに生息しているんですか?」(ウィンブルドン)
ちなみに“Travelodge”の広報担当者シャキーラ・アーメッドさんは、「お客様に満足していただけるサービスを常に心がけていますが、どうしても応えられない要求や変わった質問がここ1年で実は20万件もありました」と説明。30に絞るまでには相当の時間がかかったことだろう。
また老若男女を問わず世界各国から様々な人々が集まるだけに、リモコン式のカーテンやテレビのリモコンを知らなかったという宿泊客がいるのは当然のこと。接客はすなわち新しい発見の連続という日々に、「これくらいは常識」という基準がまったく存在しないことを痛感しているもようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)