ホームレスのベニー クラトリーには自慢できない記録がある。オハイオ州シンシナティ警察では“危険な男”として知られており、クラトリーを長年知る警察官は１０００回以上も逮捕されたのではないか？とも言うほどだ。

古い逮捕記録は１９６８年まで遡り、当時クラトリーは２０歳だった。シンシナティで犯罪記録方法が改善された１９９８年からクラトリーの記録を辿ってみると、２００９年まで１４６回も逮捕されている。逮捕の理由は不法侵入、紊乱行為、窃盗などが多かった。しかし罪状はいつも軽い為懲役刑はなく、刑務所に入ることはなかった。今年１月には老人ホームの前をうろつくクラトリーに職員が立ち去るように言うと、クラトリーが突然職員を脅し始めたので、駆けつけた警官に逮捕された。

ホームレスの人々を援助するNPO団体Free Store Bankのトニャ ジャロウはクラトリーの失業手当給金等を管理し、毎週決まった金額を渡すなどしてクラトリーの世話をしてきた一人だ。ジャロウは「彼はいつも行ってはいけない所に行ってしまう。家族もいない彼にはFree Storeと刑務所しか行く所がないんだと思う。」と話している。

（TechinsightJapan編集部　村居唯衣）