ワシントン大学で人間関係について研究する社会学者ペッパー シュワーツは80歳の女性にオンラインデートのノウハウを教えたことがある。女性は初オンラインしたその日のうちに男性とのデートの約束にまでこぎつけた。この女性が稀なわけではない。最近では出会い系サービスを利用してパートナーを探す高齢者が急増している。シュワーツは「交友関係を求める欲求は年を重ねても消えるものではない。」と言う。
オンラインデートのサービス業で2007年までに最も急速に利用人数を延ばしたのが50歳以上の年代で、この急上昇はその後も止まる勢いを見せない。配偶者を亡くした60〜70代の人にとって出会いの場と言えば教会や高齢者センターぐらいで限られている。そんな時に息子や娘が出会い系サービスで成功しているのを見て興味を持ち始めたという人は少なくない。Online Dating Magazineの編集者ジョー トレイシーは「高齢者やベイビーブーム世代をターゲットにしたオンラインサービスが出て来ている。」と言う。
American Association of Retired Person(以下AARP)のマーケティング担当責任者ナタキ クラークによれば、AARPのウェブサイトで最もアクセスが多かったのは”オンラインデートの始め方”の記事とメンバーがオンラインデート用のプロフィールを作成するツールだった。「デート、交友関係、セックスに関連するなら何でもウケは良い。」とクーラクは話している。AARPはウェブサイトをFaceBookのように他のメンバーともっとコミュニケーションが取れるようリフォームしたほどだ。
恋愛を含む交友を楽しむ事に年齢は関係なく、引退後のゆったりした時間を一人ではなく新しいパートナーと共に過ごしたいと願う高齢者が増えているようだ。年齢という次元を越えてシンプルに親交を楽しむのがオトナの関係の新しい形になってゆくだろう。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)