友達や家族に”ドッキリ”を仕掛けるのはまだ可愛いものだが、その範囲が赤の他人にまで広がり、結果的に器物破損と何千ドルの被害を被るのは悪ふざけではおさまらない。現在、イタズラ電話による笑えない事件が全米各地で発生しており、人々の頭を悩ませている。
フロリダ州のホテルに宿泊していたカントスキー一家の部屋に午前7時頃一本の電話があった。フロントデスクの者だと言う男がホテル内でガス漏れが発生したのでこれから言う指示に従うよう要請してきた。”トイレのタンクを投げて窓を割れ”と指示を受けた夫のマークは「言われた通り窓を割った時に何かおかしいとか思ったが、パニックになっている妻につられ、そのまま指示に従った。」と話す。
”ランプで壁を壊して、向こう側にいる閉じ込められた男を確認しろ」「避難用にベッドのマットレスを窓から投げろ」などの指示が約10分間続いた。冷静に考えれば馬鹿げた指示ではあるが、ガス漏れという緊急事態と三人の子供をしっかり抱きしめたままパニック状態にいる妻の姿が夫であり父親であるマークを言われるがままに行動させた。
すぐさまマネージャーが駆けつけた時には部屋はめちゃくちゃに荒れていた。状況を把握し、ガス漏れが誤報であると一家に説明していると再び電話が鳴った。マネージャーが電話に出ると、複数の人間の笑い声が聞こえて来たと警察に証言している。総額5千ドルの被害を受けたホテル側はカントスキーに賠償請求する予定はなく、警察も騙された被害者であるとして起訴処分はしない。
アラスカ州のホテルでも同様の事件があった。滞在客の部屋に何者かが電話をし、火事が発生したからスプリンクラーの消火装置を作動させるように誘導した。もちろん火事など発生しておらず、水浸しになったホテルは総額1万ドルの被害を受けた。他にもイタズラ電話による事件がアーカンサス州、ネブラスカ州でも発生している。
イタズラの状景を撮影したビデオをYouTubeなどに投稿しているPrankNETにはフロリダ州で起こった事件と酷使したビデオが投稿されていた。自ら引き起こしたイタズラについてのコメントなども投稿されており、他州で発生した事件との関連性が高い。PrankNETは”今まで見たことのない最高なイタズラをする者達の”とSNSサイトTwitterで定義している。益々被害が大きくなってゆくイタズラは「騙される方が悪い」という言い訳で済むような問題ではなくなってきている。「オオカミ少年」にを演じるにも程があり、限度があるからこそイタズラを笑えるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)