1991年 エリック ストラーによって発明された自転車は計7人を乗せて走る。2006年にペンシルベニア州フィラデルフィアで一般道での走行を許可する法案が市議会で話し合われたが却下された。そして2009年6月、改善された案が再び話し合われることになった。
Conference Bikeと呼ばれるこの自転車は6つのシートが円形に並び、乗り手はその円の中心を向いて座る。それぞれのペダルは一つの車軸に連結している。そしてキャプテンとも呼ばれる7人目の乗り手が舵を取り、ブレーキの制御をする。
発明者のストラーによれば、現在250のConference Bikeが世界16カ国以上で使用されている。ベルリン、バルティモア、ブタペストでは観光用に使用され、ダブリンでは視覚障害者でも乗ることができる自転車として認識されている。またアムステルダムではチームワークの向上を図るエクササイズとして、社員をConference Bikeに乗せる取り組みをする会社もある。フィラデルフィア市内で使用が懸念されるのは、ニューヨークのタイムズスクゥエアで試乗した時に一般道の大渋滞を引き起こした過去があるからだろうとストラーは考えている。
フィラデルフィア市交通局副責任者のリナ・カトラーはこの7人乗り自転車の使用に賛成ではない。「問題は他の自動車や交通にどう影響するのか。まずは確実に安全に運営できる少数から始めて様子を見るのが望ましい。観光の娯楽設備と制限すれば、安全面の問題等も配慮しやすくなり、こちらとしても試してもいい。」と話している。
法案はConference Bikeのみについてではなく、“4人以上が乗れる自転車”という新しいカテゴリーを作り出すこととなる。もし法案が可決されれば、多人数乗りの自転車が政府が指定した交通量が少なく、安全な地域で走行可能になる。法案の結末は6月18日の議会での最終投票によって決まる。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)