ノルウェーの病院で12年間、「肥満」「2型糖尿病」と誤診されてきた男性の腹部に昨年9月、巨大な腫瘍が見つかり、摘出手術が行われた。腫瘍は重さ約27キロ、直径約52センチに達し、男性は精神的および身体的苦悩をノルウェーのニュースメディア『Dagbladet』などに語った。
昨年9月26日、ノルウェーの首都オスロの病院で、トーマス・クラウトさん(Thomas Kraut、59)の腹部から重さ27.3キロ、直径52.3センチの巨大な腫瘍が摘出された。
ドイツ出身のトーマスさんは、眼鏡技師として働くため、2008年に医療関係の仕事に携わる妻イネスさん(Ines)と共にノルウェー北部トロムス県バルドゥに移住した。腹部が大きく膨らみ始めたのは2011年頃で、複数の医師の診察を受けた結果、2012年に2型糖尿病と肥満と診断された。
そして、インスリン療法と減量を始めたトーマスさんだが、腹部だけがどんどん大きくなり、外出すると冷たい視線を感じるようになった。不安になったトーマスさんは病院を渡り歩いたが、肥満と糖尿病の診断は覆らず、そのうちに2型糖尿病の治療薬オゼンピック(Ozempic)の投与が始まった。また栄養指導やフィットネスクラスにも通い、2020年には北ノルウェー大学病院での検査で高度肥満(肥満3度)と診断されていた。
そんなトーマスさんに転機が訪れたのは2023年8月で、ヌールラン県最大の都市ボードーで、減量講習と専門家の診察を受けた時だった。その頃、トーマスさんは食事をほとんど摂らなくなっており、