このように続けた。
「太陽の光は見えないし、水が垂れてくるのが分かって、溺れてしまうか空気がなくなってしまうのではないかと思っていた。」
「僕はひとりぼっちだと感じて、とても怖かった。土砂崩れで流されて、家族全員が亡くなってしまったと思っていた。」
「それで瓦礫の下から声の限りに叫んだけど、祖母には僕の声が届かなかった。でもそんな時、タッカーが僕の真上にやってきて吠えたんだ。タッカーがクンクン鳴いて、吠えているのが聞こえたんだよ。」
マイケルさんによると、タッカーは瓦礫がある場所に立ち、ただひたすら吠え続けていて、「タッカーはどうかしてしまったのではないかと思ったほどだった。でもあの時、タッカーはジェイミーの居場所を突き止めていたんだ」と語った。
そしてタッカーは、消防隊が到着し、チェーンソーで瓦礫を切り開いてジェイミー君を助ける作業を始めるまで、まるで「ここにジェイミーがいるよ」と伝えるかのように瓦礫の上を動かなかったそうで、ジェイミー君はこう信じているという。
「タッカーは大きな耳と大きな鼻を持っているから、僕のことを見つけ出すことができたんだ。タッカーは僕の声を聞き、ニオイを嗅いで、僕がどこにいるか教えようとしていたんだ!」
ちなみにタッカーは数年前、シェルターで安楽死される予定の数日前にジェイミー君とジェマさんがお小遣いを使って自宅に迎えた犬だった。
ジェイミー君は「タッカーはシェルターに残されていた最後の犬で、僕たちを見るとすぐに駆け寄ってきた」と明かし、「今回は僕がタッカーに救われた」と語り、笑顔を見せた。
なお、ジェイミー君は今回の出来事で心に深い傷を負い、ノースカロライナ州コンコードのアトリウム・ヘルス・カバラス病院にヘリコプターで搬送されて治療を受けていた。同病院のスタッフは家を失った一家のために必要なものを揃え、家族はしばらくの間病院の一室で過ごすことができたそうで、タッカーはその間、看護師の一人が世話をしてくれていた。
現在一家は、多くの人の親切で近くのヘンダーソンビルの家に6か月間無料で住むことができるようになり、支援の食料や生活必需品などが途切れることなく届いている。また一家が被災した際、25年以上支払い続けた家のローンは約59万円(4000ドル)で完済するところだった。そんな家族のためにファンドレイジングプラットフォームが立ち上げられており、マイケルさんは「本当にすごい。人々が本当に素晴らしいんだ」と涙ながらに述べていた。
画像は『WCNC 「Family dog finds 11-year-old boy under several feet of rubble after mudslide during Helene」(Credit: WCNC)』『People.com 「Family Dog Finds Their 11-Year-Old Grandson Alive After Hurricane Helene Mudslide」(Photo: Atrium Health Levine Children’s Hospital)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)