次のように続けた。
「慌てて緊急通報し、オペレーターに今起きていることを伝えた。でも分娩はあっという間に進んでしまって。運転席から飛び降り、助手席のドアを開けると赤ちゃんの頭が見えた。それで一旦携帯電話を置いて、出てきた赤ちゃんを受け止めたんだ。」
「私たちは医療関係者でもないし、全てが初めての経験だった。そして赤ちゃんを取り上げている最中にへその緒が切れてしまい、オペレーターには『失血で危険な状態に陥る可能性があるから、履いている靴の靴ひもを取ってへその緒を結ぶように』と言われたよ。」
「車内はまるで犯罪現場のようだったけど、全てが上手くいった。ただ病院に着く前に赤ちゃんが誕生するなんて、思いもよらなかった…。まあ、路肩での出産というのはお勧めできないね。」
一方で、助手席に座っていたイジーさんは「あの時はもう、路肩に車を停めるしかなかったわ。だって赤ちゃんの頭はすでに飛び出していて、他に選択肢はなかったの」と明かし、こう述べた。
「分娩時、ラジオではアメリカのポップ・パンクバンドの曲が流れていたわ。でも力む時、大声で叫んでいたからほとんど何も聞こえなかった。出産は私たちが考えていたようにはならなかったけど、最終的には幸せで笑顔がいっぱいで健康な赤ちゃんが産まれたのだから、素敵な話でしょう?」
なお、オーラちゃん(Aura)と名付けられた次女は午前6時41分、イジーさんが力み始めた5分後に産声を上げた。その朝は非常に寒く、午前7時に救急車が到着するまでの間、クリスチャンさんは娘をジャケットやブランケットで包んで待たねばならなかったものの、オーラちゃんの体重は3316グラムで健康だった。
イジーさんは「自宅より病院での出産のほうが安全だと思って家を出たのに、こんなことになっておかしいわよね」と苦笑し、こう続けた。
「振り返れば、『家での出産のほうが安全だったのでは』と思うの。私は出産後、時速約112キロ(70マイル)でトラックが走行していく中で担架に乗せられ、とても怖かったから。」
「それに最近は、いつもこの話題について話しているから、オーラはそのうち聞き飽きてしまうのではないかしら。」
ちなみにブラジルでは昨年、エレベーターの中で命が誕生し、当時の様子を捉えた監視カメラの映像が注目されていた。この女性も2人目の出産だった。
画像は『WalesOnline 「Mum left car looking like ‘crime scene’ after stopping on motorway hard shoulder」(Image:(C)Isobel Farrell / SWNS)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)