手術後に女児は発作を起こして意識を失い、12日後に息を引き取った。
摘出された奇形腫は、長さ18センチほどで内部に骨の構造があることが分かっており、目、口、腕、指のついた手まで確認できた。症例報告によると通常、FIFは後腹膜に発生するが、稀に頭蓋骨や口、骨盤の中央にある仙骨のあたりにも見られるという。
今回の症例報告は、アメリカの神経系の医師向け医学雑誌「神経学ジャーナル(Neurology Journals)」で2022年12月12日に掲載されたが、「アメリカン・ジャーナル・オブ・ケース・リポーツ」にも報告されたことで再び関心が集まったようだ。
ちなみに女児の母親が妊娠33週目の出生前検査を受けた際、超音波検査で胎児の頭部が通常よりも大きいことが分かっていた。またMRI検査(磁気共鳴画像法)でも胎児の頭蓋内に異常兆候が見られたものの、MRIの画像ではそれ以上の情報が得られなかったという。逆子だったことから母親は37週目で帝王切開により出産したが、出生当時の女児は同じ37週目に誕生した新生児に比べて、頭囲が大きかったそうだ。
症例報告では、FIFが発生する要因は謎に包まれており、その原因とメカニズムには環境汚染、遺伝、低体温症、卵母細胞の老化、妊娠初期の農薬曝露が卵子分裂に影響を及ぼす可能性があると記している。
画像は『The Mirror 「Doctors discover one-year-old girl has foetus growing in skull that was her twin sister」(Image: Twitter/GreenJournal)(Image: Daily Mail WS)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)