違法性があるとは全く思わなかったという。アンナさんの養母パトマニ・パルコサゼさん(Patmani Parkosadze)は、2005年に3500ドル(約57万円)を支払ってアンナさんを養子にしたことを認めた。これは当時のジョージアで、小さなアパートが買えるぐらいの額だという。パトマニさんは『ABC』の取材に対して、このように語っている。
「違法性があるなんて全く知りませんでした。当時、子供を養子に迎えるには何年も待たなければなりませんでした。夫と私はアンナを迎えるまでに6年も待ったのです。そんな腐敗した組織があるとは全く知りませんでしたし、想像もしていませんでした。」
また、エレヌさんの養母リア・コルコタゼさん(Lia Korkotadze、61)は今年3月、『AFP通信』の取材に応じ、エレヌさんが誘拐された子とは微塵も思っていなかったと明かしている。リアさんは結婚後に子供ができないと知り、夫と話し合って養子を迎えることにしたが、当時のことを「孤児院から養子を迎えるには信じられないほど長い順番を待たなければならず、現実的に不可能だと思いました」と振り返る。
しかしリアさんは2005年、知人から「地元の病院で、有料だけど養子縁組が可能な赤ちゃんがいる」と持ちかけられた。大喜びしたリアさんはこれに同意し、生後6か月のエレヌさんを養子に迎えた。
アンナさんとエレヌさんは、これまで育ててくれた家族と2人が出会えたことに感謝しているが、実の両親との再会も望んでおり、エレヌさんは今の思いをこのように話している。
「もしかしたら、実の両親は私たちの存在すら知らないのかもしれません。だって『子供は死産だった』と偽られることもありますから。実の両親も私たちが亡くなったと思い込んでいるかもしれません。でも彼らを見つけて真実を伝えることができたら、どんなに素晴らしいことでしょうね。」
なお、ドイツのニュースメディア『Aussiedlerbote』によると、現在のアンナさんとエレヌさんは人身売買の被害者の権利を擁護する活動を始め、自分たちの経験を伝えることで、被害者たちが生物学上の家族と再会できるきっかけになることを願っているという。
画像は『Brandsynario Instagram「Identical twins Elene Deisadze and Anna Panchulidze discovered their true relationship through TikTok and DNA tests,」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)