自身の感覚に大きな変化が生じ始めたそうだ。
「そうしているうちにすべてが変わった。嗅覚、視覚、触覚。2~3年は文字が読めなかったわ。物が伸びたり、色のパターンが見えたりした。多くの人が、私が死ぬんじゃないかと思っていたの。」
そのような後遺症に苦しんだシャロンは、日常生活にも支障をきたしてしまった。すると悪意ある人々に、銀行貯金や所有物をあっという間に騙し取られてしまったのだ。
「そう。その間にみんなに利用されたのよ。1800万ドル(約29億円)の貯金があったけど、銀行口座を確かめたら全部なくなっていた。冷蔵庫や携帯電話も、すべてが他人の名義になっていた。無一文になったわ。」
臨死体験や後遺症に加え、財産を奪い取られるという悲劇に見舞われたシャロン。しかし彼女は前向きに生きていくため、ある決意をしたという。
「私は今を大切にし、忘れることにしたの。病気にしがみつくことも、苦しみや怒りを抱えることもしないと決めた。もし苦しみの種をかみしめてしまえば、それは決して離れないから。」
「信念を持ち続ければ、たとえその信念がカラシの種子ほど小さくても、生き延びることができる。だから私は今、喜びのために生きている。目的のために生きているのよ。」
その後、シャロンは回復したものの、生活費を稼ぐためにオファーされた仕事は何でも引き受けざるを得なくなったそうだ。
幸いなことに、シャロンは映画『氷の微笑』で成功後、1995年に米ビバリーヒルズに購入した豪邸を所有し続けることができた。
2005年に「ディオール」のアンバサダーに就任したことで経済的に救われ、映画『氷の微笑2』(2006年公開)で主演した際には、キャリア最高額の1360万ドル(約22億円)のギャラを受け取った。これにより、シャロンの財政状態は大幅に改善された。
現在は画家としてもキャリアを歩んでおり、絵画1枚につき数万ドルを稼ぐとも報じられている。また、米国を拠点に世界中で展開するメガネチェーン「レンズクラフターズ」のキャンペーンモデルも務めている。
「Celebrity Net Worth」によると、シャロンが所有するビバリーヒルズの豪邸は推定価値が1200万ドル(約19億4千万円)から1500万ドル(約24億2千万円)だそうで、シャロンの純資産は7月10日時点で、推定2500万ドル(約40億4千万円)とのことだ。
画像2~4枚目は『Sharon Stone Instagram「Thank you to my healer Ra.」「STUDIO LIFE」』『LensCrafters Instagram「Express your personality this summer」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)