咬傷による死者が出たことはないものの、クロゴケグモ(ブラックウィドウ)とドクイトグモの2種には最も注意が必要だという。
トムさんを噛んだ種の特定はできていないそうだが、本人は病院での様子を次のように述べていた。
「スペインで毒グモに噛まれるというのは珍しくてね。医師たちは当初、何が起きているのかよく分かっていないようだった。ただ右手の人差し指、中指、小指の先端は組織が腐る壊死を起こして黒く変色し、そのうち腐ってしまったよ。」
医師は当時、手指を洗浄するもすぐには切断せず、「できるだけ指を残せるように」と注意深く経過観察していたそうで、トムさんは「指が感染症に罹らないように、自宅に2~3か月間、看護師が来てくれた」と明かしている。
そしてある日、医師が望んだ通りに壊死した手指3本のうち1本の先端がポロリと落ち、それから2~3か月を経てやっと、医師は壊死部分を見極めて切除したという。
現在の右手は、人差し指と中指が第2関節の位置で切断されており、小指は通常よりも少し短い状態にあるそうで、トムさんは自身の経験から次のように注意喚起した。
「これからイビサ島に行く観光客には、毒グモに注意して欲しい。そしてもし何かおかしいと感じたらすぐ、医師の診察を受けることだ。もし自分が病院に行くのが遅れていたら、指3本の切除だけでは済まなかったかもしれないからね。それに保険に入っておくことを勧めるよ。」
ちなみに今月9日にはブラジルで、レストランで食事中だった男性が毒グモ、または毒を持つ昆虫に脚を噛まれ、5日後に死亡した。男性に異変が現れたのは翌日のことで、ふくらはぎが黒く変色したという。
画像は『The Mirror 「EXCLUSIVE: Brit has fingers amputated after shocking spider bite on holiday in Ibiza」(Image: Rowan Griffiths / Daily Mirror)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)